エアコンは「できるだけ長く使いたい!」と思うものですが、その寿命を延ばすためには適切なケアが欠かせません。
でも、どんなに大切に使っていても、電化製品には寿命があります。では、一般家庭のエアコンは何年くらい使えるのでしょうか?
一般的なエアコンの寿命

家庭用エアコンの寿命は、メーカーや使用環境によりますが、一般的には約10年と言われています。これはメーカーが部品の製造や修理対応をする期間(部品保有期間)が約10年であることに由来します。
もちろん、使用状況やメンテナンス次第では15年以上使い続けることも可能ですが、一方で頻繁に使っている場合や汚れが溜まりやすい環境では、10年未満で不具合が出ることも珍しくありません。
エアコンの寿命に影響する要因
エアコンの寿命は使い方次第で大きく変わります。同じ機種でも、使用環境やメンテナンス状況によって寿命に差が出るため、日頃のケアが重要です。
以下のポイントを意識することで、エアコンをより長く快適に使うことができます。
要因 | 影響 | 寿命を延ばすポイント |
---|---|---|
使用頻度 | 1年中フル稼働する家庭では負担が大きく、寿命が短くなりやすい | 使用しない季節はこまめに電源を切る |
メンテナンス | フィルターや内部の汚れが原因で故障しやすくなる | 定期的なフィルター掃除と2~3年に1回の内部クリーニングを実施 |
設置環境 | 直射日光や風通しの悪さで熱がこもり、動作負荷が増して寿命が短くなる | 日陰や風通しの良い場所に設置し、周囲の障害物を取り除く |
使用方法 | 急速冷房・暖房の多用や極端な設定温度が部品の劣化を早める | 設定温度を適切にし、なるべく穏やかな運転を心がける |
エアコンの寿命を延ばすためには、定期的な掃除や適切な使用方法が不可欠です。無理な負荷をかけず、丁寧にメンテナンスすることで、より長く快適に使い続けることができます。
長く使うためにできること
エアコンの寿命を延ばすためには、日頃のケアが欠かせません。適切なメンテナンスを行うことで、冷暖房の効率を維持しながら長く使い続けることができます。
以下の習慣を取り入れ、エアコンをできるだけ長持ちさせましょう。
ポイント | 具体的な方法 | 期待できる効果 |
---|---|---|
フィルター掃除 | シーズンごとに2週間に1回の掃除を行う | 風量が安定し、無駄な電力消費を防ぐ |
専門クリーニング | 年に1回は業者に依頼し、内部の汚れを除去 | 効率アップ&異臭やカビの発生を防ぐ |
適切な温度設定 | 冷房は26〜28℃、暖房は20〜22℃を目安に設定 | 部品の負担を減らし、消耗を抑える |
省エネモード活用 | 自動運転やエコモードを利用して、負荷を軽減 | エアコンの動作を最適化し、寿命を延ばす |
風の流れを確保 | 室内機や室外機の周りに物を置かず、空気の流れをスムーズにする | 冷暖房の効率が向上し、負担が減る |
しっかりとメンテナンスを行えば、エアコンの寿命は大きく延ばせます。しかし、どんなに丁寧に使っていても、経年劣化による性能の低下は避けられません。
「冷暖房の効きが悪くなった」「異音がする」などの変化を感じたら、寿命のサインかもしれません。突然の故障に備え、買い替えのタイミングを見極めることも大切です。
冷暖房効率が落ちている

「設定温度になかなか到達しない」「以前よりも冷房・暖房の効きが悪く感じる」という場合、エアコンの寿命が近づいている可能性があります。
エアコン内部のコンプレッサー(圧縮機)や冷媒(ガス)の劣化によって、十分な冷暖房能力を発揮できなくなることが原因です。
特に、フィルター掃除や業者によるクリーニングを行っても改善しない場合は、部品そのものの経年劣化が進んでいる可能性があるため、買い替えを考えたほうがよいかもしれません。
異音や異臭がする
エアコンを使用している際に、「カタカタ」「ブーン」「キー」という異音がしたり、不快な臭いが気になることはありませんか?
これらの症状は、エアコンの寿命が近づいているサインかもしれません。以下の表を参考に、異音や異臭の原因を確認し、適切な対処を行いましょう。
症状 | 原因 | 対処法・注意点 |
---|---|---|
異音(カタカタ・ブーン・キー) | ファンやモーターの劣化で回転部分の動きが悪くなっている | ファンの掃除やモーターの点検を行う |
コンプレッサーの故障による振動や異常音 | 異音が続く場合は専門業者に点検を依頼する | |
異臭(カビ臭・焦げ臭い) | 内部にカビやホコリが溜まり、空気とともに臭いが拡散 | フィルター掃除やエアコンクリーニングを実施 |
部品の劣化や電気系統の異常により、焦げ臭が発生する | 焦げ臭い場合は使用を中止し、専門業者に相談する |
特に、フィルター掃除やクリーニングをしても異音や異臭が改善しない場合は、エアコン内部の部品が消耗している可能性が高いです。
こうした症状が続く場合は、寿命を迎えているサインと考え、買い替えを検討しましょう。
頻繁に修理が必要になってきた
エアコンのトラブルが増え、修理を依頼する回数が増えてきたら、それは寿命が近づいているサインかもしれません。特に以下のようなケースでは、買い替えを検討するのが賢明です。
判断基準 | 具体的な状況 | 買い替えを検討すべき理由 |
---|---|---|
修理回数が増えている | 1年の間に2回以上修理が必要になった | 修理費が積み重なり、新品購入と同等のコストに |
修理費用が高額 | 部品交換や大掛かりな修理で費用がかさむ | 長期的に見て新しいエアコンの方が経済的 |
修理後も不具合が続く | 修理しても別の箇所がすぐ故障する | 部品の劣化が進み、次々と故障する可能性が高い |
エアコンが古い | 購入から10年以上経過している | 最新モデルの方が省エネ性能が高く、電気代も節約 |
特に、古いエアコンの修理費用が高額になる場合、新しいエアコンを購入する方が長期的なコストパフォーマンスが良くなることが多いです。
無駄な修理費をかけ続けるよりも、買い替えを検討することで、快適さと経済性の両方を確保できます。
買い替えの準備を考えるタイミング

「エアコンの調子が悪いけれど、修理すればまだ使えるのかな?」それとも「思い切って買い替えたほうがいいの?」と悩む方は多いですよね。
エアコンは決して安い買い物ではないため、できるだけ長く使いたいのが本音。しかし、無理に使い続けることで電気代が増えたり、突然故障して困ることもあります。そこで、修理すべきか、それとも買い替えるべきかの判断ポイントをご紹介します。
修理したほうがよいケース
エアコンの不具合が発生しても、必ずしも寿命とは限りません。比較的軽度なトラブルであれば、修理をすれば快適に使い続けることができます。
以下のケースに当てはまる場合は、買い替えよりも修理を検討する価値があります。
判断基準 | 具体的な状況 | 修理を検討すべき理由 |
---|---|---|
使用年数が10年未満 | 一般的なエアコンの寿命は約10年未満で、まだ設置して数年しか経っていない | 修理すれば十分に長く使い続けられる |
修理費用が安い | 軽度な基盤の接触不良やガス漏れなどが数千円~1万円程度で修理可能 | 買い替えよりも修理の方が経済的 |
頻繁なトラブルなし | これまで大きな故障はなく、一時的な不具合で修理後は正常に動作する | 買い替えを急ぐ必要がない |
掃除やメンテナンスで改善 | フィルター掃除やクリーニングで冷暖房の効きが回復する | 故障ではなく、メンテナンスで対応できる可能性が高い |
寿命を迎える前のエアコンであれば、修理やメンテナンスを行うことで十分に延命できることがあります。ただし、修理費が高額になったり、頻繁に故障するようになった場合は、買い替えのタイミングを検討することも大切です。
買い替えを検討すべきケース
エアコンの寿命が近づくと、修理を重ねても根本的な解決にならないことがあります。
以下のようなケースでは、修理よりも買い替えを検討したほうが賢明です。
判断基準 | 具体的な状況 | 買い替えを検討すべき理由 |
---|---|---|
使用年数が10年以上 | メーカーの部品保有期間(約10年)を超え、修理部品が入手困難 | 修理できてもすぐに別のトラブルが発生しやすい |
修理費用が高額 | コンプレッサーや基盤交換に3万円以上かかる | 新品購入のほうがコストパフォーマンスが良い |
省エネ性能が低い | 10年以上前のエアコンは電気代が高くなりがち | 最新モデルに買い替えると年間の電気代が節約可能 |
冷暖房効率の低下 | 設定温度になりにくい、風量が弱いなどの症状が続く | 部品の劣化が進んでおり、修理では改善しにくい |
異音や異臭が改善しない | 掃除しても異音やカビ臭が取れない | 内部部品の劣化が進行している可能性が高い |
修理頻度が増えている | 1年に何度も修理が必要になる | 修理費用が積み重なり、新品購入のほうが経済的 |
エアコンの寿命が近づくと、故障の頻度が増え、電気代もかさみがちになります。最新の省エネモデルに買い替えることで、長期的に見ても経済的なメリットが大きくなります。
寿命のサインを見極め、最適なタイミングで買い替えを検討しましょう。
修理と買い替えのコスト比較

「修理するべきか、買い替えるべきか」を判断する上で、コストの比較も重要な要素です。以下の表を参考に、どちらがお得かを検討してみてください。
項目 | 修理 | 買い替え |
---|---|---|
費用 | 数千円〜3万円(部品交換による) | 約6万円〜15万円(機種による) |
寿命 | 数年延長できるが、他の部品が劣化する可能性あり | 10〜15年使用可能 |
省エネ性能 | 変化なし(古いモデルのまま) | 最新省エネモデルなら電気代節約の可能性大 |
快適さ | 修理箇所は改善されるが、根本的な性能向上はなし | 最新機種なら静音性・空気清浄機能などが向上 |
リスク | 再度故障する可能性あり | 長期的に安心して使用できる |
エアコンの寿命が来たら買い替えはいつ?
エアコンの寿命が気になり、「できるだけ長く使いたいけれど、そろそろ買い替え時かも?」と迷っている方も多いでしょう。
以下のタイミングで買い替えを検討すると、無駄な出費を抑えつつ、快適な空間を維持できます。
買い替えのタイミング | 理由 | メリット |
---|---|---|
故障する前 | 突然壊れると真夏や真冬に急いで買い替えが必要に | 余裕を持って選べる&設置工事の混雑を避けられる |
セール時期 | 3~4月(新生活シーズン)や9~10月(モデルチェンジ) | 値引きが多く、お得に購入できる |
電気代の上昇時 | エアコンの効率が落ち、電気代が高くなる | 省エネモデルに買い替えると、電気代の節約につながる |
エアコンは動いているうちに買い替えるのが理想です。突然の故障で選択肢が限られる前に、セールの時期を狙ったり、省エネ効果を考慮して計画的に買い替えを検討しましょう。
電気代の節約につながる
エアコンの買い替えを検討する際、多くの方が気にするのが電気代ですよね。実は10年前後の古いエアコンと最新のモデルでは、消費電力にかなりの差があるのです。
例えば、一般的な10年前のエアコンと最新の省エネモデルを比較すると、年間の電気代が数千円から場合によっては1万円以上安くなることもあります。省エネ性能が高いエアコンは、より少ない電力で効率よく冷暖房するため、電気代の節約につながります。
以下の表は、旧型と最新モデルの電気代の比較の一例です。
エアコンの種類 | 年間の推定電気代 |
---|---|
10年前のエアコン | 約30,000円 |
最新の省エネエアコン | 約18,000円 |
年間の電気代節約額 | 約12,000円 |
エアコンの寿命が10〜15年と考えると、買い替えることで10年間で10万円以上の節約になる可能性も。毎月かかるランニングコストを抑えられるのは大きなメリットですよね。
寿命が来たら買い替えたほうがトータルでお得
「まだ動くから」と古いエアコンを使い続けるのも選択肢の一つですが、長期的に見ると、電気代や修理費用などのコストがかさむ可能性があります。また、エアコンの性能が落ちると、快適性が損なわれたり、健康面での影響が出ることも考えられます。
最新のエアコンは、省エネ性能が高く、冷暖房効率も向上しているため、新しくすることで毎月の電気代を節約しながら、快適な空間をキープできるというメリットがあります。
「そろそろ買い替え時かな?」と感じたら、一度、最新のエアコンのカタログやキャンペーン情報をチェックしてみるのもおすすめです。特に、省エネ補助金やセール時期を活用すれば、お得に買い替えられるチャンスもあるかもしれません。