隙間があると、寒い冬や暑い夏にエアコンをつけても「なかなか部屋が暖まらない」「冷房しているのに涼しくならない」と感じることがあります。
つまり、快適な室温を保つためには、まず隙間の対策が重要なのです。
隙間がもたらす寒さ・暑さの正体

隙間から風が入り込むと、ドアや窓の小さな隙間から冷気や熱気が流れ込み、室内の温度が安定しにくくなります。
特に、築年数が経った住宅や、長年メンテナンスをしていない家では、気づかないうちに隙間が広がり、暖房や冷房の効率を大きく損なっていることも少なくありません。
わずか数ミリの隙間でも、そこからどんどん外気が入り込んできます。そのため、せっかく暖房や冷房で快適にしようとしても、設定温度に達するまでに時間がかかってしまうのです。
隙間風のせいでエアコンの電気代が無駄に
隙間から入ってくる風によって室内の温度が安定しないと、エアコンは余計に稼働し続けることになります。その結果、以下のような問題が発生します。
問題点 | 詳細 |
---|---|
エアコンの稼働時間が長くなる | 設定温度に達するまでに時間がかかり、常にフル稼働状態に。 |
電気代が高くなる | 余計な電力を消費し、毎月の電気料金がかさんでしまう。 |
エアコンの寿命が短くなる | 無駄な負荷がかかり、故障や劣化が進みやすくなる。 |
隙間風が通らないよう隙間をしっかりふさぐだけで、エアコンの消費電力を10〜20%節約できることもあると言われています。効果的な対策を講じることで、快適な室内環境と節電を両立させましょう。
どこから隙間風が入るのかチェックしよう
「なんとなく部屋が寒い」「冷暖房の効きが悪い」と感じたら、まずはどこから隙間風が入っているのかを確認しましょう。
チェックポイントとして次のような場所を調べてみてください。
場所 | チェック方法 |
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窓まわり | 隙間に手をかざして空気の流れを感じるか確認 |
玄関ドア | ドア下や側面にすき間があるか目視でチェック |
コンセント周辺 | 手をかざして風を感じるか確認 |
換気口 | 冷気や暖気が入り込んでいないか確認 |
特に冬場は、玄関ドアの下部や窓のサッシ部分から冷気が入り込むことが多く、それが室温の低下につながっています。
逆に夏場は、窓や換気口からの隙間風が、エアコンで冷やした空気を外へ逃がしてしまう原因になります。
安くて簡単!隙間テープでしっかり対策

エアコン効率を上げるために、今すぐできる対策としておすすめなのが「隙間テープ」を使った方法です。
隙間テープは、ホームセンターや100円ショップでも手軽に購入できるうえ、貼るだけで冷気や暖気の流出を防げる優れもの。また、特別な道具も必要なく、誰でも簡単に取り付けられるので、DIY初心者の方にもぴったりです。
隙間テープの種類と選び方
隙間テープにはさまざまな種類があるため、ご自宅の使用する場所に合ったものを選ぶことが大切です。主な種類と特徴を見てみましょう。
種類 | 特徴 | おすすめの用途 |
---|---|---|
スポンジタイプ | 柔らかく圧縮できるので、隙間の大きさを問わずフィットしやすい | 窓枠、ドアの側面、玄関ドアの隙間 |
ゴムタイプ | 耐久性が高く弾力があるため、気密性をしっかり確保できる | 玄関ドア、サッシのすき間、ドアの開閉部分 |
ブラシタイプ | 窓やドアの開閉に影響が少なく、頻繁に動く部分にも使いやすい | 引き戸、スライド式の窓、換気口 |
隙間テープの貼り方のコツ
貼るのが簡単とはいえ、隙間テープの効果をしっかりと発揮させるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
隙間テープを貼るポイント | 詳細 |
---|---|
貼る前に掃除をする | ホコリや汚れが付いたまま貼ると、粘着が弱くなり剥がれやすくなる。ウェットティッシュや乾いた布でしっかり拭く。 |
隙間のサイズに合わせてカット | 長すぎたり短すぎたりしないよう、事前に測ってカット。スポンジやゴムタイプは少し長めにすると確実に密着。 |
しっかり押し付けながら貼る | 少しずつ押し付けながら貼ると、気泡が入らずフィットしやすい。 |
開閉に支障がないか確認 | 貼ったあとに窓やドアを何度か開閉し、動きが悪い場合は薄いテープに変更するか位置を調整。 |
玄関ドアや壁の隙間を徹底ブロック

玄関ドアや壁のちょっとした隙間から入り込む冷気や暖気は、室温を大きく左右する原因になります。
「玄関を開けると急に冷気が流れ込んでくる」「足元がいつも冷たい」と感じているなら、それは玄関周りの隙間風が原因かもしれません。
特に、マンションや古い一戸建てでは、玄関ドアの下や壁のコンセント周りから意外と多くの空気が出入りしていることが多いのです。
玄関ドア下の隙間を防ぐ方法
玄関ドアの下にはわずかな隙間があり、そこから冷気が室内に入り込むことがあります。
特に冬場は、その隙間風が足元の冷えを悪化させ、エアコンをつけてもなかなか部屋が温まらない状態を引き起こします。そんなときに役立つのが「ドア下用隙間シール」です。
ドア下用隙間シールを活用
ドアの隙間をふさぐことで、冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を安定させることができます。
以下のような種類の隙間シールを活用すると、簡単に気密性を高められます。
タイプ | 特徴 |
---|---|
ゴムタイプの隙間シール | 柔軟性があり、しっかり密着するため高い気密性を確保できる。 |
ブラシタイプの隙間シール | ドアの開閉に影響しにくく、見た目もスッキリ。 |
磁石付き隙間シール | スチールドアにピタッと密着し、ずれにくいため長持ち。 |
取り付け方は簡単で、ドアの下部に沿って隙間シールを貼るだけ。特別な工具は不要で、カットして長さを調節するだけなので、不器用な方でも安心です。
これだけで冷気の侵入をかなり抑えられ、足元の冷え対策に効果的です。
壁の隙間をふさいで快適に!
玄関ドア以外にも、室内の壁にあるコンセントや換気口、配管周りにも隙間があることがあります。これらの部分から空気が流れ込むと、気密性が低下し、エアコンの効率が下がってしまうことも。
特に冬場は、コールドドラフト(冷気の流れ)を感じる原因になっているかもしれません。
コンセント周りの隙間対策
意外にも、壁のコンセント周りにはわずかな隙間があり、そこから冷気や暖気が漏れています。ここを防ぐには、以下の方法がおすすめです。
隙間をふさぐ方法 | 特徴 |
---|---|
コンセントカバーを設置 | ホコリ防止用のカバーをつけるだけでも、冷気の侵入を軽減可能。 |
コンセント用パッキンを取り付け | 隙間をふさぐ専用パッキンを使えば、グッと気密性が向上。 |
発泡スチロールを詰める | コンセントカバーの裏側に発泡スチロールを貼ることで、更なる断熱効果が期待できる。 |
換気口の隙間を見直そう
換気口は空気の循環を目的としていますが、寒さや暑さが気になる場合は部分的にカバーするのもひとつの方法です。
方法 | 特徴 |
---|---|
フィルター付き換気口カバー | 外気の流入を大幅にカットしつつ、換気は維持。 |
スポンジを詰める | 使っていない換気口なら、スポンジや梱包材を利用して塞ぐのもアリ。 |
目張りテープを貼る | 冬場だけ一時的に塞ぐ場合には、専用の防寒テープを使うのも効果的。 |
玄関ドアの下や壁のコンセント周り、換気口の隙間を塞ぐだけで、冷暖房の効率は格段に向上します。特に玄関ドアの対策を行うことで、足元の冷えが防げるため、エアコンの稼働時間も短縮でき、結果的に節電につながります。
家全体をしっかりと密閉することで、より快適な室内環境を手に入れましょう。
賢い隙間対策のポイント

隙間風を「ちょっとしたこと」と放置していると、冷暖房効率が悪化し、エアコンの稼働時間が長くなってしまいます。
これまで紹介したように、隙間風対策をしっかり行うことで室温を快適に保つことができますが、それだけではありません。
では、具体的にどのような方法で、どんな効果が期待できるのか見ていきましょう。
節電効果 | 詳細 |
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エアコンの消費電力を減らせる | 設定温度に到達するまでの電力消費を抑え、エアコンの稼働時間を短縮。適切な隙間対策で10〜20%の電気代削減が可能。 |
暖房・冷房の効きが良くなる | 隙間風を防ぐことで、エアコンが効率よく室温を調整し、無駄なエネルギー消費を抑えながら快適な空間を維持できる。 |
エアコンの寿命を延ばし、修理コストを削減 | エアコンの負担を軽減し、モーターやコンプレッサーの劣化を防ぐことで、買い替えや修理の頻度を減らせる。 |
環境にも優しい省エネ対策 | 電気使用量の削減により、CO2排出量を抑え、家庭でできるエコな取り組みに貢献。 |
住宅設備の大手メーカーLIXILの特集ページでも効果的な隙間風対策が掲載されています。
隙間風を防いで実現!日常のちょっとした工夫で快適な節電生活

隙間風 の対策は、特別な技術や大規模な工事なしで誰でも簡単に実践できます。さらに、少しの工夫で快適さが向上し、電気代の節約にもつながる一石二鳥のメリットがあります。
「寒いのは仕方ない」「エアコンの効きが悪いのは家の問題」と諦める前に、できることから少しずつ試してみましょう!