省エネ性能で選ぶ!エアコンの賢い見極め方

省エネを意識してエアコンを選ぶとき、多くの人が「どれくらい電気代がかかるのか?」と気になりますよね。同じ冷暖房の能力を持つエアコンでも、省エネ性能が違えば年間の電気代が大きく変わってくることをご存知でしょうか?

毎月の電気代を抑えながらも快適な空間を維持するためには、省エネ性能をしっかりチェックすることが重要です。ここでは、カタログや製品情報に記載されている主要な指標について、分かりやすく解説していきます。

目次

APF(年間エネルギー消費効率)とは?

疑問なぜ

エアコンの省エネ性能を測るうえで最も重要なのが「APF(Annual Performance Factor)」、つまり年間エネルギー消費効率です。

これはエアコンがどれだけ効率よく電力を使って冷暖房できるかを示す数値で、具体的には「一定期間における冷房・暖房の総能力(kWh)」を「消費電力量(kWh)」で割ったものになります。

基本的に、APFの数値が大きいほど消費する電力量が少なく、省エネ性能が高い機種ということになります。つまり、APFが高いエアコンを選ぶことで、年間の電気代を節約できるのです。

APFが高い機種電気代が安く、効率が良い
APFが低い機種電気代が高くなりがち

例えば、APFが6.0のエアコンと4.5のエアコンでは、年間の電気代に1万円以上の差が出ることもあります。特に暑い夏や寒い冬に長時間エアコンを使うご家庭では、この違いが家計に大きく響いてくるでしょう。

省エネ基準達成率(★マーク)とは?

家電売り場や製品カタログを見ていると、エアコンの説明に「省エネ基準達成率〇〇%」や★マークが記載されているのを見かけることがあります。

この指標は、国が設定した省エネ性能の基準に対して、そのエアコンがどのくらい優れているかを示すもので、達成率が高いほど省エネ性能が良いとされています。

  • ★の数が多いほど、省エネ性能が優秀
  • 達成率100%以上の機種は基準をクリアしている
  • 150%以上の機種は特に高効率

エアコンを選ぶ際には、できるだけ高い達成率のモデルを選ぶのがポイントです。初期コストは少し高くなるかもしれませんが、長い目で見れば電気代が安くなるので結果的にお得になるケースが多いです。

期間消費電力量にも注目

さらに、省エネ性能を細かくチェックするなら「期間消費電力量」も確認してみましょう。これは、JIS(日本工業規格)が定めたモデルケース(東京を基準)をもとに、エアコンを1年間使用したときの消費電力量(kWh)を示したものです。

例えば、あるエアコンが年間800kWh、別のエアコンが700kWhだとすると、後者の方が消費電力が少なく、省エネ性能が高いことになります。メーカーや機種によって違いがあるため、比較するときにこの数値もチェックしておくと良いでしょう。

エアコンの省エネ性能を見極めるためには、APFの数値、省エネ基準達成率(★マーク)、そして期間消費電力量を確認するのがポイントです。

エアコンを選ぶ際、最新モデルと旧型モデルのどちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。最新モデルは高機能で省エネ性能も向上していますが、価格が高め。

一方で、旧型モデルは価格が安く購入しやすいものの、省エネ性能が最新モデルほど優れていない場合があります。

最新モデルはどこが進化しているのか?

エアコンのリモコン調整をする女性

エアコンの技術は年々進化しており、最新のモデルでは以下のような点が大きく向上しています。

機能特徴
省エネ性能の向上AI技術を活用した運転制御が搭載され、電力消費を最適化。
センサー技術の進化室温や湿度だけでなく、人の動き・日射量までも検知して効率的な運転を実現。
冷媒の改良最新の環境配慮型冷媒(R32など)を採用し、温暖化係数を低減。
静音性の向上コンプレッサーや送風ファンの改良により、動作音がさらに静かに。
スマート家電との連携スマホアプリや音声アシスタントと連携し、外出先からの操作も可能。

特に、省エネ性能が向上することで電気代を抑えられる点は、長期的な使用を考えると大きなメリットです。

旧型モデルのメリット・デメリット

旧型モデルを選ぶ場合のメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリットデメリット
本体価格が安い(セールや型落ち特価が多い)省エネ性能が最新モデルに比べて劣る
基本的な冷暖房機能は十分備わっているAI制御などの最新技術が搭載されていない
シンプルな操作性で使いやすい冷媒が旧式のもの(R410Aなど)の場合があり、環境負荷が高め

旧型モデルは、例えば「ゲストルーム用」「滅多に使わない部屋用」など、使用頻度がそれほど高くない場所に設置するエアコンとして適しています。

ただし、省エネ性能が低いため、長時間の使用が前提となるリビングなどでは、最新モデルの方が結果的にお得になることが多いです。

長期的なコストを考慮すると?

エアコンを選ぶ際には、本体価格だけでなく、「年間の電気代」 や 「使用期間」 といった長期的な視点でのコストも考慮することが重要です。

例えば、最新モデルと旧型モデルで年間の電気代に1万円の差があるとしましょう。10年間使用する場合、その差は10万円にもなります。たとえ最新モデルの方が本体価格で3~4万円高かったとしても、長期間使うことを考えれば、より省エネ性能の高い最新モデルを選んだ方が結果的にお得になるケースが多いのです。

最新モデルと旧型モデルにはそれぞれメリット・デメリットがあります。短期的なコストを優先するなら旧型モデル、長期的なランニングコストを抑えたいなら最新モデルが向いていると言えるでしょう。

「できるだけ電気代を抑えたい」「環境にも配慮したい」と考えている方には、最新モデルがおすすめです

初期コスト vs. 運用コストのバランス

エアコンのコストイメージ

エアコンを選ぶとき、多くの方が「できるだけ安く購入したい」と思われるでしょう。しかし、購入価格だけでなく、長期的にかかる電気代やメンテナンス費用も考慮することが重要です。

最新の省エネモデルは、旧型モデルやエントリークラスのモデルよりも本体価格が高い傾向にあります。一見すると「高いなあ」と感じるかもしれませんが、長期間使用する前提で考えた場合、毎月の電気代や修理のコストを含めると、結果的にお得になることが多いのです。

省エネエアコンで毎月の電気代を節約

では、具体的にどれくらいのコスト差が生じるのでしょうか?例えば、以下のようなシミュレーションをしてみましょう。

項目旧型モデル最新省エネモデル
本体価格80,000円120,000円
年間電気代30,000円20,000円
10年間の運用コスト合計380,000円320,000円

この例では、旧型モデルの方が初期コストは安くても、電気代の積み重ねによって長期的には最新モデルの方が60,000円もお得になります。

夏・冬のピーク時の電力負荷を抑えられる

暑い夏や寒い冬にはエアコンの稼働時間が増え、電気代が特に気になる時期ですよね。省エネモデルのエアコンは、AI制御や高効率のインバーター技術を活用することで、必要なときに最適な運転を行い、ムダなエネルギー消費を抑えます。

さらに、省エネモデルには「エコモード」や「学習機能」が搭載されている機種も多く、使用者の生活習慣に合わせて無駄のない運転を自動で行うことができます。この結果、電気代の節約だけでなく、環境負荷の低減にもつながります。

省エネラベルを理解しよう

エアコンのリモコンで温度調整

家電量販店などでエアコンを選ぶ際、製品に貼られている「省エネラベル」を目にしたことはありませんか?このラベルには、エアコンの省エネ性能を判断するための重要な情報が記載されています。

「数字や星のマークが色々あるけど、どういう意味なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、省エネラベルの見方と、チェックすべきポイントを分かりやすく解説します。

省エネラベルの主な項目

省エネラベルには、以下のような情報が記載されています。

指標説明
省エネ基準達成率(★マーク)国の省エネ基準に対して、どの程度の効率を達成しているかを示す指標
年間消費電力量(kWh)1年間で使用する電気の量の目安
エネルギー消費効率(APF)エネルギーの効率性を示す数値。数値が高いほど省エネ性能が優れる
想定年間電気代標準的な使用を想定した場合の年間の電気代

例えば、以下のような省エネラベルがあった場合——

省エネ基準達成率150%
年間消費電力量700kWh
APF6.5
年間電気代の目安約18,000円

このエアコンは、通常の基準よりも50%高い省エネ性能を持ち、年間の電気代が比較的抑えられる機種であることが分かります。

省エネ基準達成率とは?

「省エネ基準達成率」とは、エアコンの省エネ性能を評価する際の基準の一つです。国が定めた基準値を100%として、それを上回るほど省エネ性能が高くなります。

省エネ基準達成率省エネ性能特徴
100%未満低い基準以下で、あまり省エネではない
100%〜119%普通省エネ基準をクリアしているが、やや低め
120%〜149%高い比較的省エネ性能が高い
150%以上非常に高い高効率で、電気代も大幅に節約できる

★マークの数が多いほど省エネ性能が優れていますので、できるだけ多くの星がついたモデルを選ぶと、電気代を抑えられます。

省エネ達成率については一般社団法人日本電機工業会のウェブサイトで詳しく解説されています。

年間消費電力量を比較しよう

お金とエアコンのリモコン

年間消費電力量(kWh)は、そのエアコンを1年間使った場合にどれくらいの電力を消費するかを示した数値です。数値が小さいほど消費電力が少なく、電気代も安く済みます。

例えば、

機種A(省エネ優秀)年間消費電力量 700kWh
機種B(旧型モデル)年間消費電力量 1,000kWh

この場合、機種Aの方が年間300kWhも消費電力が少なくなり、電気代で換算すると年間約8,000円の違いが出る可能性があります。

省エネ性能を比較する際の注意点

エアコンの省エネ性能を比較する際には、次の点にも注意しましょう。

比較ポイント注意点
同じ畳数(能力)のモデルで比較6畳用と10畳用では消費電力量が異なるため、同じ畳数のエアコン同士で比較する
最新モデルと旧型モデルの違い新しいモデルほど技術が向上し、APFや省エネ基準達成率が高い傾向にある
冷房・暖房のバランス暖房を多く使う地域では、暖房時の電力効率も考慮し、寒冷地向けの高効率モデルを検討する

まとめ

ルーバーを下向きにした白い大型のエアコン

省エネラベルには、エアコンの省エネ性能を知るための重要な情報が詰まっています。「省エネ基準達成率」「年間消費電力量」「APF」などをしっかりチェックすることで、電気代を抑えながら快適な空間を作ることができます。

エアコンは一度購入すると長く使うもの。ラベルを正しく理解し、最適なモデルを選んで、経済的かつ快適な暮らしを実現しましょう!

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