エアコンの電気代が高くて驚いたことはありませんか?特に夏や冬は、快適な室温を保ちつつも、できるだけ電気代を節約したいと考える方が多いでしょう。
しかし、「節約しよう!」と意気込んで無理にエアコンを使わないと、かえって熱中症や風邪のリスクが高まることもあります。そこで今回は、無理なく快適に過ごせる「効果的な設定温度」と「タイマー活用術」をご紹介します。
夏と冬、それぞれの最適な温度設定

電気代を節約するためには、エアコンの設定温度を適切にすることが大切です。一般的に推奨されている温度設定は以下の通りです。
季節 | 推奨設定温度 |
---|---|
夏(冷房時) | 28℃ |
冬(暖房時) | 20℃ |
「28℃じゃ暑すぎる!」と思う方もいるかもしれませんが、扇風機やサーキュレーターを併用すると、体感温度がぐっと下がります。
逆に、冬の20℃は少し寒く感じるかもしれませんが、厚着やブランケットを活用することで無理なく快適に過ごせます。
タイマー機能で無駄な電力をカット!
エアコンのタイマー機能を活用すれば、必要な時間だけ稼働させ、無駄な電力を削減できます。特に、以下の使い方がおすすめです。
活用シーン | 設定方法 | 期待できる効果 |
---|---|---|
就寝時のタイマーOFF | 寝る1時間前にエアコンをつけ、就寝後に自動でOFF設定。 | 快適な温度で寝つきやすくなり、寝冷えを防ぐ。 |
起床前のタイマーON | 起床30分前にエアコンがつくように設定。 | 冬の朝も寒さを感じず、スムーズに目覚められる。 |
外出前後の工夫 | 出かける30分前からOFF、帰宅時間に合わせてON設定。 | エアコンの負担を減らし、効率的に部屋を快適に保つ。 |
「こまめに電源を切ったほうが節約になる?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、頻繁なON/OFFは逆効果になる場合も。
また、「エアコンを使っているのに、なかなか部屋が冷えない・暖まらない…」と感じることはありませんか? 実は、エアコン単体よりも扇風機や遮光対策を組み合わせることで、冷暖房の効率が大幅にアップします。
扇風機やサーキュレーターを活用して効率UP

エアコンの冷気や暖気は、同じ場所にとどまりやすく、冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に溜まる性質があります。
この特性を活かし、扇風機やサーキュレーターを併用することで、冷暖房の効率を高めましょう。
季節 | 設置方法 | 効果 |
---|---|---|
夏(冷房時) | 扇風機を上向き or 対角線上に設置。 | 冷気を効率よく拡散し、部屋全体を均一に涼しくする。 |
冬(暖房時) | サーキュレーターで天井の暖気を床に送る。 | 上に溜まった暖気を下げ、足元までしっかり暖める。 |
このひと工夫で、エアコンの設定温度を控えめにしても十分な快適さを得られます。結果的に電気代の節約にもつながるため、やってみる価値ありです。
遮光カーテンや断熱シートで温度をキープ
エアコンで快適な室温にしても、外の熱や冷気の影響を受けると、エアコンの負担が増加してしまいます。そこで、遮熱・断熱アイテムを活用し、エアコンの効率を高めましょう。
季節 | 対策方法 | 効果 |
---|---|---|
夏の対策 | 遮光カーテンを活用 | 直射日光を遮り、室温の上昇を防ぐ。 |
窓に断熱フィルムを貼る | 外からの熱を遮断し、冷房効果を高める。特に南向きの窓におすすめ。 | |
すだれ・よしずを設置 | 窓の外で日差しを遮り、部屋に熱が入り込むのを防ぐ。 | |
冬の対策 | 厚手のカーテンを使用 | 窓からの冷気をブロックし、暖房の効果を維持。 |
隙間テープを貼る | 窓やドアの隙間風を防ぎ、断熱効果をアップ。 | |
床にラグやカーペットを敷く | 足元の冷えを防ぎ、部屋全体の暖かさをキープ。 |
扇風機やサーキュレーター、遮光カーテン、断熱シートなどのアイテムを上手に活用すれば、エアコンの負担を減らし、電気代をグッと抑えられます。
最初に少し対策をするだけで、毎月の電気代に大きく違いが出るので、ぜひ試してみてください。
室外機の周囲をスッキリ整理

エアコンの室外機は、空気を吸い込んで熱交換を行い、冷暖房をサポートする重要な役割を果たしています。しかし、室外機の周囲に障害物があると空気の流れが悪くなり、エアコンの効率が低下してしまいます。
以下のポイントを押さえて、室外機の環境を整えましょう。
対策方法 | 具体的な工夫 | 期待できる効果 |
---|---|---|
室外機の前後左右に物を置かない | 室外機の周囲30cm以上の空間を確保し、植木鉢・自転車・物置などを移動させる。 | 排熱・吸気をスムーズにし、エアコンの冷暖房効率を向上。 |
室外機の上に物を置かない | 物を載せず、風通しの良い状態を保つ。 | 放熱が妨げられず、余計な電力消費を防ぐ。 |
室外機の周囲を適切に管理することで、エアコンの効率が向上し、電気代の節約にもつながります。今一度、室外機の設置環境を見直してみましょう。
直射日光対策で冷房効率アップ
夏場、炎天下にさらされた室外機は熱を持ちすぎてしまい、冷房効率が大幅に低下します。これを防ぐために、室外機を適切に日陰にする工夫をしましょう。
対策方法 | 具体的な工夫 | 期待できる効果 |
---|---|---|
室外機の上に専用カバーを設置 | ホームセンターや通販で購入できる「室外機カバー(遮熱カバー)」を取り付ける。 | 直射日光を遮り、室外機の温度上昇を防ぐ。 |
すだれやシェードを活用 | 室外機の周りにすだれやグリーンカーテンを設置。ただし、通気を妨げないよう適度な距離を確保。 | 周囲に日陰を作り、冷房の効率を向上。 |
朝・夕に打ち水をする | ベランダや庭の地面に打ち水をすることで、地面の温度上昇を抑える。 | 室外機への熱の影響を軽減し、冷房効率を向上。 |
これらの対策を取り入れることで、エアコンの消費電力を抑えながら、より効果的に部屋を冷やすことができます。
室外機のフィルターとファンの掃除で効率UP
エアコン本体のフィルター掃除はしていても、室外機のメンテナンスまで行っている方は少ないのではないでしょうか?
実は、室外機にもホコリや汚れが蓄積し、放熱効果が低下してしまいます。定期的に清掃し、エアコンの効率を維持しましょう。
掃除ポイント | 具体的な方法 | 期待できる効果 |
---|---|---|
フィルターやファンを定期的に掃除 | 吸気口やフィン(熱交換部分)にホコリやゴミが詰まっていないか確認。掃除機やブラシで優しく除去。 | 放熱効果が向上し、エアコンの負担を軽減。 |
室外機の周りを清掃 | 室外機の周囲に落ち葉やゴミがないかチェック。特に秋〜冬の落ち葉が多い時期はこまめに掃除。 | 通気性を確保し、冷暖房の効率を維持。 |
室外機の汚れを放置すると、エアコンの効率が落ちて電気代の増加にもつながります。月に1回を目安に掃除し、快適な環境を保ちましょう。
設置場所の見直しも節電に効果あり
エアコンの室外機は、設置場所によって冷暖房効率が大きく変わるため、可能であれば設置場所の見直しを検討してみましょう。
適切な位置に配置することで、節電効果も期待できます。
対策方法 | 具体的な工夫 | 期待できる効果 |
---|---|---|
直射日光を避ける | 可能なら建物の影になる場所や風通しの良い場所に移動。設置工事が必要な場合もあり。 | 室外機の温度上昇を防ぎ、冷房効率を向上。 |
地面と距離を取る | 専用の架台を使用し、地面から少し高さを出す。 | 地面の熱の影響を受けにくくなり、放熱効果が向上。 |
直射日光や地面からの熱を受けにくくすることで、エアコンの負担が減り消費電力の削減につながります。
設置場所の見直しが難しい場合は、室外機カバーやすだれを活用するのもおすすめです。
エアコンの電力消費の仕組みを知ろう

まず、エアコンの消費電力の仕組みを簡単に押さえておきましょう。エアコンは、室温を設定温度まで下げる(または上げる)時に最も多くの電力を消費します。一方、温度が安定した後は消費電力が抑えられるのが一般的です。
つまり、頻繁に電源をON/OFFすると、その都度エアコンがフル稼働することになり、逆に電気代が高くなってしまうこともあるのです。とはいえ、ずっとつけておくとその分電力を消費し続けるので、どのタイミングでつけっぱなしにするのが最適なのかがポイントになります。
「つけっぱなし」と「こまめに消す」を比較!
エアコンを使う際、「つけっぱなし」と「こまめに消す」どちらが節電になるのか悩む方も多いのではないでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
使い方 | メリット | デメリット |
---|---|---|
つけっぱなし | 設定温度に到達後は消費電力が安定し、室温を一定に保てる。快適に過ごせる。 | 長時間の外出では無駄な電力消費が増える。短時間の外出でも電力消費が続く。 |
こまめに消す | エアコンの稼働時間が減るため電気代節約につながる。無駄な電力消費を抑えられる。 | 再起動時に消費電力が大幅に増えることがある。室温が安定せず、暑さ・寒さを感じやすい。 |
結論として、1時間以内の外出ならエアコンはつけっぱなしの方が節電になると言われています。例えば、買い物やゴミ出しなどの短時間の外出なら、エアコンをつけたままの方がエネルギー効率が良く、結果的に電気代の節約につながるのです。
その理由は、エアコンが室温を再び調整する際に最もエネルギーを消費するため。頻繁にON/OFFを繰り返すよりも、短時間の外出ならつけっぱなしが省エネになります。
状況に応じて適切な使い方を選び、快適さと節電のバランスを取りましょう。
長時間の外出ならこまめに消すべき!
逆に、2時間以上の外出をする場合はエアコンを消した方が節約になります。長時間誰もいない部屋でエアコンを動かし続けると、その分余計な電力を使ってしまいます。
一度部屋が温まったり冷えたりした状態から戻すのにかかる電力よりも、つけっぱなしにしている方が無駄なエネルギーを消費するケースが多いためです。
この場合、帰宅時間の30分前にタイマー設定をしておくと、帰宅時に快適な室温が保たれていて、なおかつ電気代を節約できます。
外出時のエアコン設定に迷ったら「弱運転」が便利!
「長く外出するかわからないけど、エアコンを消すか迷う…」そんな時は、エアコンの「弱運転(風量を弱める・エコモード)」を活用しましょう。完全に電源を切るよりも、効率的に節電できます。
状況 | おすすめの設定 | 期待できる効果 |
---|---|---|
短時間の外出 | 弱運転モードや風量を下げる設定を活用。 | 再起動時の消費電力を抑え、省エネ効果が期待できる。 |
寒暖差が少ない時間帯 | 朝晩など、気温が極端に変わらない時は弱運転のままキープ。 | 室温を安定させながら、電気代の節約につながる。 |
エアコンを完全に切ると、再起動時に大きな電力を消費するため、短時間の外出なら「弱運転」がベスト。状況に応じて設定を工夫し、快適さと節電を両立させましょう。
最新の省エネエアコンはどれくらい違う?

最新の省エネ型エアコンと10年前のエアコンを比べると、消費電力には驚くほどの差があります。
技術の進化により、エアコンの効率は年々向上しているため、古いエアコンを使い続けるよりも買い替えたほうが電気代を節約できるケースが多いのです。
エアコンの製造年 | 年間消費電力量(目安) | 年間電気代(目安) |
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10年前のエアコン | 約1,200kWh | 約32,400円 |
最新の省エネエアコン | 約600kWh | 約16,200円 |
上記はあくまで目安ですが、最新のエアコンは10年前のものと比較して約50%も電力消費を抑えられることがあります。
つまり、年間で約16,000円以上の電気代節約につながることも! 買い替えにかかるコストを考えても、数年で元が取れる計算になります。
買い替えを検討すべきタイミング
エアコンの性能が落ちると、電気代の増加や冷暖房効率の低下につながります。以下のチェックポイントを確認し、買い替えのタイミングを見極めましょう。
チェックポイント | 症状・問題点 | 買い替えのメリット |
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製造年が10年以上前 | 消費電力が高く、最新モデルと比べると電気代がかかる。 | 省エネ性能が向上し、大幅な節電が可能。 |
電気代が異常に高い | 劣化による効率低下で、電力消費が増加している。 | 最新モデルにすると、電気代の節約が期待できる。 |
冷暖房の効きが悪い | 設定温度までなかなか到達しない。 | 効率の良い運転で快適な室温を維持しやすい。 |
異音や異臭がする | ファンやモーターの劣化、内部の汚れが原因の可能性。 | 静音性・空気清浄機能が向上し、快適な使用感に。 |
これらの兆候がある場合は、買い替えを検討するタイミングです。最新のエアコンは、省エネ性能や快適機能が充実しているため、長期的な電気代の節約にもつながります。古いエアコンを使っている方は、一度見直してみましょう。
補助金・自治体の支援を賢く活用しよう!
最新の省エネエアコンは電気代の節約につながりますが、「初期費用が高くて買い替えに踏み切れない…」と悩む方も多いのではないでしょうか。そんな時に活用したいのが、省エネ家電の買い替えに使える補助金制度です。
補助金の種類 | 内容 | 補助金額・特典例 |
---|---|---|
国の「省エネ支援補助金」 | 省エネ家電への買い替え費用を一部補助。 | 購入金額の一部を補助。 |
地方自治体の補助金 | 都道府県・市区町村ごとに異なる補助金を提供。 | 5,000円〜30,000円程度支給される場合あり。 |
電力会社の省エネプログラム | 省エネ家電への買い替えでポイント還元や割引を実施。 | 電気料金割引・ポイント還元などの特典。 |
補助金の内容は地域によって異なるため、「〇〇市 エアコン補助金」などで検索し、自分の住んでいる地域の制度を確認しましょう。
また、大手メーカーの省エネエアコンを対象にしたキャンペーンもあるため、うまく活用するとさらにお得に買い替えができます。
環境省:省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」で節約に最適な製品を比較できます。
省エネ性能の高いエアコンを選ぶポイント

いざ買い替えるとなったとき、どのような基準でエアコンを選べば良いのでしょうか。以下のポイントを意識すると、省エネ効果の高い機種を選びやすくなります。
選び方のポイント | 詳細 | メリット |
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APF(通年エネルギー消費効率)が高いものを選ぶ | APF値はエアコンの省エネ性能を表す指標で、5.0以上が理想的。 | エネルギー効率が高く、電気代を抑えられる。 |
「省エネ達成率」が100%以上のものを選ぶ | 省エネ基準をクリアしたエアコンには「省エネ達成率」の数値が表示されている。 | 100%以上のエアコンなら、より省エネ性能が高い。 |
「スマート機能」搭載モデルを選ぶ | AI機能で温度・風量を自動調整、スマホ連携で遠隔操作可能。 | 無駄な電力を使わず、効率的に運転できる。 |
古いエアコンを使い続けるよりも、省エネ性能の高いエアコンに買い替えることで、長期的に見ても電気代を大幅に節約できます。さらに、補助金制度を活用すれば、初期費用の負担を軽減できるため、買い替えを検討する絶好のタイミングです。
無理をしなくても、エアコンの使い方を見直したり、補助金を上手に活用したりすることで、快適な暮らしを維持しながら節約が可能です。一度の投資で何年もお得に過ごせるので、ぜひ検討してみてください!