40坪の外壁塗装を検討中なら、無機塗料を選ぶのも一つの方法です。
「どの塗料がいいの?」と悩まれる方も多いと思います。特に長持ちする塗料を選びたいけれど、コストやメンテナンスのしやすさも気になりますよね。
そんなお悩みを解決する選択肢として、今注目されているのが無機塗料です。
ここでは、無機塗料の特徴や利点について詳しく解説していきます。
圧倒的な耐候性で長持ち!

無機塗料の最大の魅力は驚異的な耐候性です。従来の塗料には有機成分が含まれていますが、無機塗料は石やガラスなどの無機成分を主成分としているため、紫外線や雨風に強く、劣化しにくいのが特長です。
一般的な塗料の耐久性が約10〜15年なのに対し、無機塗料は20〜30年もの寿命が期待できます。これは、「できるだけ塗り替え回数を減らしたい!」という方には大きなメリットですね。
汚れにくいからメンテナンスがラク
外壁が汚れにくい、これも無機塗料の特筆すべきポイントです。なぜなら、無機塗料は表面が非常に親水性が高いため、雨が降ると汚れが自然に流れ落ちるのです。この仕組みを利用して、いつまでも美しい外壁を維持できるというわけです。
特に湿気が多い地域や排気ガスが気になる都市部にお住まいの方にとって、このセルフクリーニング効果は大きな安心材料になります。「気づいたら外壁が真っ黒…」なんて心配が減るのは嬉しいですね。
カビ・コケの発生を抑える
湿気によるカビやコケの発生も、多くの住宅オーナーが気にするポイント。その点、無機塗料はカビやコケがつきにくい性質を持っているため、美観を長く保つことができます。
特に日当たりの悪い北側の壁や、苔が生えやすい環境に建つ住宅では、その恩恵をより強く感じられるはずです。
耐火性が高く、安心の住まいづくり
万が一の火災時にも、無機塗料なら安心です。石やガラスといった無機成分には燃えにくい性質があるため、万が一の延焼リスクを抑える効果が期待できます。
大切な家族を守るためにも、こうした防火性の高い塗料を選ぶのは賢い選択です。
メリット | 詳細 |
---|---|
長寿命 | 約20〜30年の耐久性で塗り替え頻度を減らせる |
汚れにくい | 雨水で汚れを流しやすい親水性を持つ |
カビ・コケが生えにくい | 湿気の多い環境でも美観を維持しやすい |
耐火性が高い | 無機成分により燃えにくく、延焼リスクを低減 |
このように、無機塗料にはたくさんのメリットがあります。
ただし、「じゃあ無機塗料一択でいいの?」と思うかもしれませんが、それぞれの塗料には特徴があり、適した用途も異なります。
シリコン塗料・フッ素塗料との違い

外壁塗装を考える際、多くの方が比較検討するのがシリコン塗料やフッ素塗料です。
「果たして無機塗料は本当に優れているのか?」そんな疑問にお答えするため、ここでは各塗料の特徴と違いを詳しく見ていきましょう。
耐久性の違い
外壁塗装で最も重要視されるポイントの1つが「耐久性」です。それぞれの耐用年数の目安を見てみましょう。
塗料の種類 | 耐用年数 |
---|---|
シリコン塗料 | 約10〜15年 |
フッ素塗料 | 約15〜20年 |
無機塗料 | 約20〜30年 |
このように、無機塗料は他の塗料に比べて圧倒的に長寿命です。
シリコン塗料なら築30年の家で2〜3回の塗り替えが必要になりますが、無機塗料なら1回の施工で済む可能性が高く、長期的に見るとコストダウンにつながります。
価格の違い
「無機塗料は高性能だけど、高すぎるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。それぞれの価格帯は以下のとおりです。
塗料の種類 | 1㎡あたりの費用目安 |
---|---|
シリコン塗料 | 2,500〜3,500円 |
フッ素塗料 | 3,500〜4,500円 |
無機塗料 | 4,000〜5,500円 |
確かに無機塗料はやや高価ですが、その分耐用年数が長いため、長い目で見れば「1年あたりのコスト」はむしろ安くなることも。頻繁な塗り替えを避けたい方には、むしろ経済的な選択といえるでしょう。
汚れの付きにくさ
外壁の美観を保つうえで「汚れにくいかどうか」も重要なポイントです。
- シリコン塗料: 比較的汚れにくいが、親水性は低め。
- フッ素塗料: 汚れがつきにくく、ツヤ感が長持ちする。
- 無機塗料: 親水性が非常に高く、雨が汚れを洗い流してくれる。
無機塗料は親水性の高さによって「セルフクリーニング機能」を持つため、長期間にわたって外壁をきれいに保てます。
耐火性と安全性
火災への備えとしても無機塗料は優れています。
- シリコン塗料: 有機成分が多く、燃えやすい。
- フッ素塗料: 耐火性はやや高いが、有機成分を含むため限界がある。
- 無機塗料: 石やガラス成分が主原料のため、燃えにくい。
万が一の火災時に延焼リスクを抑えられるのは、無機塗料ならではのメリットです。
どれを選ぶべき?
最適な塗料を選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。
- 「価格重視」なら… → シリコン塗料
- 「長持ちさせたい」「汚れに強い塗料が欲しい」なら… → 無機塗料
- 「ツヤを重視したい」なら… → フッ素塗料
価格や用途によってベストな選択は異なりますが、長期的なコストや耐久性を考えるなら、やはり無機塗料が最適といえるでしょう。
施工の流れ

無機塗料の塗装工事は、一般的な外壁塗装のプロセスと基本的に同じですが、施工のクオリティを維持するために注意すべきポイントがあります。
以下のような流れと、天候にもよりますが、所要工程日数で進むのが一般的です。
工程 | 説明 | 工程日数の目安 |
---|---|---|
現地調査・診断 | 専門業者が現地調査を行い、外壁の状態を診断。クラックや汚れ、塗膜の劣化を確認し、最適な施工方法を決定。 | 1日 |
足場設置・養生 | 足場を組み、飛散防止シートをかけ、窓や植栽などを養生。余計な汚れを防止するための重要な工程。 | 1〜2日 |
高圧洗浄 | 高圧洗浄機で汚れやカビ、コケを洗い流す。汚れをしっかり取り除くことで、塗料の密着性を高める。 | 1日 |
下地処理 | ひび割れや傷みを補修し、塗料の密着性を高めるための下地処理を行う。下地調整が耐久性に大きく影響する。 | 1〜2日 |
下塗り | 下塗り材を塗布し、無機塗料をしっかり密着させる。丁寧な下塗りが塗料の耐久性を引き出すポイント。 | 1日 |
中塗り・上塗り | 無機塗料を2回塗り重ね、均一な仕上がりを目指す。乾燥させてから2度目を塗布することで、品質を高める。 | 2〜3日 |
点検・仕上げ | 塗りムラや施工不良をチェックし、問題なければ養生を外し、足場を解体して作業完了となる。 | 1日 |
足場解体・清掃 | 足場を解体し、周囲をきれいに清掃する。 | 1〜2日 |
費用の目安
「無機塗料は高いって聞くけど、実際どれくらいかかるの?」と気になる方も多いでしょう。無機塗料の施工費用は、一般的に1㎡あたり約4,000〜5,500円程度です。
たとえば、40坪(約132㎡)の住宅の場合、外壁塗装の総費用は以下のようになります。
塗料の種類 | 施工費用の目安(132㎡) |
---|---|
シリコン塗料 | 約33万〜46万円 |
フッ素塗料 | 約46万〜60万円 |
無機塗料 | 約53万〜72万円 |
他の塗料と比較するとやや高めですが、耐用年数が20〜30年と長いため、長期的に見ればむしろコストパフォーマンスが良いといえます。
費用を抑えるためのポイント
「やっぱり無機塗料は高い…」と感じる方もいるかもしれません。そこで、少しでもコストを抑える方法をご紹介します。
- 地域の助成金・補助金を活用する
→ 自治体によっては外壁塗装の補助金を出している場合があります。 - まとめて施工する
→ 屋根塗装とセットで依頼することで、足場代を節約できます。 - 相見積もりを取る
→ 1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取ることで適正価格がわかります。 - オフシーズンを狙う
→ 業者が忙しくない時期(冬や梅雨前など)に依頼すると、値引き交渉しやすくなります。
外壁塗装は決して安い買い物ではありませんが、長期的な視点で考えると無機塗料は大変優れた選択肢と言えます。「20年以上、塗り替え不要の外壁にしたい!」という方は、ぜひ無機塗料の導入を検討してみてください。
業者選びのポイント

無機塗料を使った塗装を成功させるためには、どの業者に依頼するかが大きな鍵を握ります。
「せっかく高品質な無機塗料を選んだのに、施工が雑だったせいで効果を発揮できなかった…」なんてことにならないように、信頼できる業者を選ぶポイントを押さえておきましょう。
無機塗料の施工実績が豊富か
無機塗料は通常の塗料よりも施工が難しく、正しい技術を持つ職人でないと性能を最大限に引き出せません。そのため、業者を選ぶ際は「無機塗料の施工にどれくらいの実績があるか」を確認することが大切です。
具体的に確認すべきポイントは以下のとおりです。
- 無機塗料を使った施工例を写真付きで紹介しているか
- 「施工実績●●件以上!」といった具体的な数字を提示しているか
- 過去の施工事例について詳しく説明できるか
公式サイトや施工事例をまとめたブログを持っている業者なら、これまでの実績が分かりやすく、安心して依頼できます。
適正価格かどうか
「無機塗料の施工費は高い…」と感じるかもしれませんが、中には相場よりも明らかに高額な見積もりを提示する業者も存在します。逆に、極端に安い業者は手抜き施工や粗悪な材料を使用するケースもあるため注意が必要です。
そこで、以下の方法で適正価格を見極めましょう。
- 最低でも3社以上から相見積もりを取る
- 「どこにどれだけの費用がかかるのか」を細かく説明してもらう
- 塗装範囲・塗料の種類・仕上げ方法などを比較する
業者によっては「キャンペーン価格」として割引することもありますが、本当に適正価格かどうかはしっかりと確認しましょう。
保証制度の有無をチェック
塗装が終わった直後はきれいに見えても、1〜2年経つと施工不良が発覚することもあります。そのため、施工後の保証がしっかりしているかどうかを必ずチェックしましょう。
信頼できる業者なら、以下のような保証を提供していることが多いです。
- 外壁塗装の保証書を発行してくれる
- 塗膜剥がれなどの補修保証がある
- 定期点検を実施してくれる
保証の期間は5〜10年が一般的ですが、条件によって異なるため事前に確認しておくことが大切です。
口コミや評判をチェック
実際にその業者に依頼した人の口コミを確認するのも、失敗しないための重要なポイントです。特に、以下のような点に注目して口コミを探しましょう。
- 「塗り残しやムラがなかったか」
- 「施工後の対応が丁寧か」
- 「見積もり時と金額の差異がなかったか」
実際の口コミは、Googleレビュー・ホームページの施工事例・外壁塗装のポータルサイトなどに掲載されていることがあるので、ぜひ活用してみてください。
訪問販売業者には注意
「ちょうど営業に来た業者にお願いしようかな」と考える方もいるかもしれませんが、訪問販売業者による強引な営業には注意が必要です。
訪問販売業者の中には、以下のようなケースもあります。
- 「今なら30%オフ!」と言って契約を急がせる
- 「近所で工事をしているので安くできます」と話を持ちかける
- 「屋根が剥がれていますよ」と不安を煽る
このような勧誘を受けた場合は、すぐに契約せず、一度冷静になって他の業者と比較してください。焦って契約すると、後からトラブルになるケースも多いため慎重に判断しましょう。
外壁塗装の助成金については、地域によって内容や条件が異なることがあるため、最新の情報を国土交通省の公式サイトでチェックしてみてください。
まとめ

無機塗料は耐候性が高く、汚れやカビに強いことが特徴です。
シリコン塗料やフッ素塗料と比べて耐久性が非常に高く、20〜30年もの長寿命が期待できます。また、親水性によるセルフクリーニング効果や、火災時の延焼リスクを抑えられる点も魅力です。
価格は高めですが、長期的なコストパフォーマンスは優れています。外壁塗装を検討する際は、ぜひ無機塗料も選択肢に入れてみてください。