40坪の住宅で外壁塗装を検討する際、「費用を抑えつつ、耐久性も重視したい」という方にはウレタン塗料が適した選択肢です。
ここでは、その特徴とメリットについて詳しく解説していきます。
ウレタン塗料とは?

ウレタン塗料は、樹脂系塗料の一種で、弾力性と密着性に優れた塗料です。
アクリル塗料よりも耐久性が高く、シリコン塗料よりも安価です。そのため、「価格」と「品質」のバランスが取れた塗装材として広く利用されています。
特徴 | 説明 |
---|---|
固い塗膜と高い耐久性 | 硬い塗膜を形成するため、耐摩耗性や耐熱性に優れ、傷や摩耗に強い仕上がりを実現できます。 |
弾性と伸縮性に優れている | 弾性があり、伸縮性が高いため、外壁などの動きに柔軟に対応し、塗膜のひび割れを防ぎやすいです。 |
ひび割れに強い構造 | 塗膜がしなやかで、内部で発生したひび割れが表面まで広がりにくくなっています。 |
傷や汚れに強く防水性も高い | 樹脂で覆われた塗膜は傷や汚れがつきにくく、水への耐性もあり防水効果をしっかり発揮します。 |
環境変化への耐性 | 湿度や乾燥などの環境変化に強く、経年による劣化が起きにくいです。 |
ウレタン塗料のメリット・デメリットを徹底比較
ウレタン塗料は、コストパフォーマンスの良さや美しい仕上がりが魅力です、しかし、デメリットも理解した上で選ぶことが大切です。
ここでは、ウレタン塗料のメリットとデメリットをわかりやすく比較してご紹介します。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
性能 | コストパフォーマンスが良く、シリコン塗料ほど高価ではなく適度な耐久性を持つ。 | シリコン塗料より耐久性が低く、長期メンテナンスを避けたい場合には不向き。 |
柔軟性 | 弾性がありひび割れを防ぎやすい。特に木造住宅などの動きに対応できる。 | 直射日光に弱く、紫外線の影響で劣化しやすい。弾性がある分、耐候性が劣る可能性もある。 |
仕上がり | 艶があり美しい仕上がりが可能。艶の調整もでき好みに応じた外観にできる。 | 親水性が低く、雨で汚れが落ちにくい。塗膜が柔らかいため、特に排気ガスや砂ぼこりで汚れやすい。 |
こんな方にウレタン塗料がおすすめ!
ウレタン塗料は、以下に当てはまる方に特に適しています。
- 初めての外壁塗装で、コストを抑えながら耐久性も欲しい方
- 木造住宅など、柔軟性が必要な建物に住んでいる方
- 次回の塗り替えを10年以内に検討している方
- ツヤのある仕上がりで美しい外壁を希望する方
ウレタン塗料は、長期的に持たせることよりも「適度な価格で、ある程度の耐久性と美観を確保したい」という方にぴったりです。
ウレタン塗料の費用相場

外壁塗装の費用は、建物の大きさや塗料の種類、施工業者によって変動しますが、ウレタン塗料を使用した場合の大まかな費用相場は以下の通りです。
項目 | 費用(40坪住宅の場合) |
---|---|
塗料代 | 約20万~40万円 |
足場設置費 | 約15万~25万円 |
高圧洗浄 | 約2万~5万円 |
下塗り | 約8万~15万円 |
中塗り・上塗り | 約20万~40万円 |
合計 | 約65万~120万円 |
この価格はあくまで目安ですが、40坪の住宅のウレタン塗装であれば、約70万円前後から塗装が可能になるケースが多いです。特に足場の費用は外壁塗装の総コストに大きく影響を与えるため、しっかりと見積もりを取ることが重要です。
ウレタン塗料のコストパフォーマンスは?
ウレタン塗料はシリコン塗料より安価で、アクリル塗料よりも耐久性があるため、「価格と品質のバランス」が非常に優れています。しかし、耐用年数は約8〜10年と比較的短いため、次回の塗り替えまでのスパンも考慮する必要があります。
「初期費用を抑えながら、しっかりとした耐久性も確保したい」と考えている場合、ウレタン塗料は非常に良い選択肢となるでしょう。
塗装費用を抑えるポイント
できるだけ費用を抑えながらも、しっかりとした塗装を行いたいですよね。そこで、コストを削減するためのポイントをご紹介します。
- 複数の業者から見積もりを取る
塗装業者によって価格設定は異なるため、できるだけ複数の業者から見積もりを取ることが大切です。相見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。
- 外壁と屋根を同時に塗装する
もし屋根の塗装も検討している場合、外壁と一緒に施工することで足場代を節約できることがあります。まとめて施工するほうが、トータルコストを抑えやすいです。
- 定期的なメンテナンスを行う
塗装を放置してしまうと劣化が進み、最終的に補修費用が高くつくことがあります。定期的なメンテナンスを行い、できるだけ長持ちさせることも費用節約のポイントです。
- 助成金・補助金を利用する
自治体によっては、外壁塗装に関する助成金や補助金を用意している場合があります。お住まいの市町村の制度をチェックし、利用可能な制度がないか確認してみましょう。
施工の流れと重要ポイント

40坪の家のウレタン塗装を行う場合、ただ塗るだけではなく、しっかりとしたプロセスを経ることで長持ちし、美しい仕上がりになります。
「せっかくの塗装を失敗したくない!」という方のために、施工の流れと注意すべきポイントを詳しく解説していきます。
施工の基本的な流れ
ウレタン塗料での塗装は、以下の手順で進められます。
- 足場設置・養生
安全に作業を行うために、まず足場を組み、飛散防止用のシートを設置します。また、塗料が窓や玄関に付着しないよう、養生作業も丁寧に行います。
- 高圧洗浄
外壁に付着した汚れや苔、カビなどをしっかり洗い流します。汚れが残っていると、塗料の密着が弱くなり、仕上がりに悪影響を及ぼすため、非常に重要な工程です。
- 下地処理(補修)
ひび割れや剥がれがある場合は、専用の補修材を使用して補修します。下地の状態によっては、シーラーやフィラーを使って表面を整えることもあります。
- 下塗り
下塗りは、ウレタン塗料がしっかり密着するようにするための重要な工程です。専用のプライマーを塗布し、ムラなく均一に塗ることがポイントです。
- 中塗り・上塗り
下塗りが乾燥したら、ウレタン塗料を2回に分けて塗ります。1回目の塗装(中塗り)が完全に乾燥してから、仕上げ塗り(上塗り)を行うことで、厚みのある耐久性の高い塗膜が形成されます。
- 最終確認・仕上げ
塗装が均一に仕上がっているかを確認し、必要であれば細部の補修を実施。最後に養生を取り外し、清掃を行い、施工完了です。
施工時の注意点

40坪の家のウレタン塗装を長持ちさせるためには、以下のポイントに注意しましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
適切な施工時期を選ぶ | 気温や湿度の影響を受けるため、春や秋の気候が安定している時期がおすすめです。特にウレタン塗料は梅雨や真冬の施工を避けましょう。 |
塗りムラや厚みを均一にする | 一度に厚塗りせず、必ず2回に分けて塗ることで塗膜の耐久性を確保できます。乾燥不良による剥がれを防ぐための重要なポイントです。 |
施工後の乾燥時間をしっかり確保する | 十分な乾燥時間を取ることで、塗膜の定着を良くし、施工後のトラブルを防ぐことができます。 |
信頼できる業者選びも重要
40坪の家のウレタン塗装の仕上がりや耐久性は、職人の技術力によって大きく左右されます。「適正価格でしっかり施工してくれる業者を選びたい!」という方は、以下のポイントを押さえましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
複数の業者に見積もりを依頼する | 1社だけで決めず、2〜3社から見積もりを取り比較することで相場を把握し、適正価格を見極めることができます。 |
施工実績を確認する | 過去の施工例や口コミをチェックして、信頼できる業者かどうかを判断することが大切です。 |
保証内容を確認する | 施工後の保証がしっかりしている業者を選ぶと安心です。最低でも5〜7年の保証があるか確認しましょう。 |
施工手順や注意点をしっかり押さえることで、ウレタン塗料の持ち味を最大限に活かした塗装が可能になります。
建設業者の信頼性を確認する際は、国土交通省の「建設業者検索システム」を利用すると便利です。
長持ちさせるためのメンテナンス方法

40坪の家のウレタン塗料を使った外壁塗装は、適切なメンテナンスを行うことで耐用年数の8〜10年をしっかり確保し、美観を長期間維持することができます。
しかし、「どのように手入れをすれば最も効果的なのか?」と悩まれる方も多いでしょう。ここでは、塗装を長持ちさせるための日常的なメンテナンス方法や注意点について詳しく解説します。
定期的な点検が重要
ウレタン塗料は比較的柔軟性があり、ひび割れを起こしにくい塗料です。しかし、紫外線や雨風にさらされることで徐々に劣化していきます。
そのため、以下のようなタイミングで定期点検を行うことが大切です。
- 塗装後1〜2年目の初期点検
- 塗装後5年目以降の劣化チェック
- 台風や強風、豪雨などの自然災害後
点検の際には、以下のポイントを重点的に確認しましょう。
- 外壁にひび割れが発生していないか
- 塗装の剥がれや色あせが進行していないか
- 雨だれやカビ・藻の発生がないか
- コーキング(シーリング部分)の劣化が見られないか
自分で確認するのが難しい場合や、異常が見つかった場合は、専門の塗装業者へ点検を依頼するのもよいでしょう。
汚れを落とすための簡単な掃除
ウレタン塗料はシリコン塗料に比べると汚れが付きやすい特徴があります。そのため、定期的な清掃を行うことで、塗膜の寿命を延ばせます。
外壁の掃除手順 | 説明 |
---|---|
柔らかいブラシと水を使う | 強く擦らず優しくブラッシングするだけで、大半の汚れを落とせます。 |
ホースで水洗い | 軽い汚れであれば、ホースで水を流すだけでも効果的です。 |
中性洗剤を使用 | 頑固な汚れやカビには、中性洗剤をぬるま湯と混ぜ、スポンジで拭き取る方法が有効です。 |
高圧洗浄は避ける | 高圧洗浄機は塗膜を劣化させる恐れがあるため、使用を控えた方が安全です。 |
コーキングの補修
ウレタン塗装と一緒に施工されることが多いコーキング(シーリング部分)は、建物の隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ役割を持っています。ただし、経年劣化によりひび割れや剥がれが発生することがあるため、早めの補修が重要です。
コーキング補修のポイント
- 亀裂が1mm以上になったら補修を検討
- 弾力性がなくなり、触るとボロボロする場合は交換
- シリコン系シーリング材などを使用し、上から再施工
コーキングの劣化を放置すると、雨水が壁の内部に浸入し、住宅の耐久性自体を損ねてしまう恐れがあるため、早めの対応を心がけましょう。
ウレタン塗料を長く美しく保つために

ウレタン塗料は長期的な視点でメンテナンスを行うことで、美観を保ち、補修コストを最小限に抑えることが可能です。
- 定期的な点検を行い、早めの異常発見を
- 適度な掃除で外壁の汚れを落とす
- 部分補修を活用し、次回の塗り替えまでの期間を延ばす
- 補助金・助成金を活用してコストを削減
- 信頼できる業者を選び、確実な施工を
こうしたポイントを意識すれば、ウレタン塗装の外壁をできるだけ長持ちさせ、トータルの費用を抑えながら美しい住宅を維持できます。