エアコンを購入する際、どうしても本体価格にばかり目が行きがちですが、実は「工事費用」も意外と大きな支出になります。特に初めてエアコンを設置する方や、買い替えを考えている方にとって、工事費用がどのように決まるのかが分かりにくいですよね。
「思っていたより高かった…」と後で後悔しないように、あらかじめ費用の内訳をしっかり確認しておきましょう。
標準取付工事に含まれる内容

エアコンの設置工事には、一般的に「標準取付工事」として基本的な作業が含まれています。標準工事費用の範囲内であれば、追加料金はかかりません。
では、具体的にどのような作業が含まれるのか、以下の表で確認してみましょう。
作業内容 | 詳細 | 重要ポイント |
---|---|---|
室内機・室外機の設置 | 室内機を壁に取り付け、室外機を適切な場所に設置 | 設置場所の強度やスペースを事前に確認 |
配管(4m以内)の取り付け | 冷媒配管を接続し、室内機と室外機をつなぐ | 配管が長くなると追加料金が発生することも |
ドレンホース・電線の接続 | 排水ホースと電線を接続し、エアコンが正常に作動するようにする | ドレンホースの勾配を確保し、水漏れを防ぐ |
配管の真空引き(エア抜き作業) | 冷媒配管内の空気や湿気を取り除き、エアコンの性能を最大限に引き出す | 真空引きを行わないと冷媒漏れや効率低下の原因に |
試運転による動作確認 | 設置後にエアコンを稼働させ、正常に動作するかをチェック | 風量や温度調整などを確認し、不具合がないか検証 |
これらの作業は、エアコンが正常に動作するために必要不可欠なものです。特に「真空引き」は、冷媒の流れをスムーズにし、エアコンの性能を最大限に発揮させるために重要な工程です。
工事を依頼する際には、標準工事に何が含まれているかを事前に確認し、追加料金が発生しないかチェックしておくと安心です。
エアコンの冷却能力を最大限に引き出すための重要な工程なので、省略されていないかしっかりチェックしましょう。
標準工事費用の相場
さて、気になるのは「標準工事費用はいくらかかるのか?」という点ですよね。標準工事費用の相場は以下のようになっています。
部屋サイズ | 費用目安 |
---|---|
標準取付工事費(エアコン容量6畳~8畳用) | 約10,000〜15,000円 |
標準取付工事費(エアコン容量10畳~14畳用) | 約15,000〜20,000円 |
標準取付工事費(エアコン容量16畳以上) | 約20,000円〜 |
家電量販店などでエアコン本体を購入すると、「標準工事込み」としてセット販売されている場合もあります。その場合、工事費を別途支払う必要がないので、お得な場合もあります。
反対に、工事費が含まれていない場合は別途見積もりが発生するので、事前に確認しておくと安心です。
実際に見積もりを取る際のポイント

エアコン工事費用は、設置する環境によって大きく変わることがあります。そのため、正確な金額を把握するには、工事業者から事前に見積もりを取ることが重要です。
見積もりの際、以下のポイントを明確にしておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。
確認ポイント | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
標準工事費の内容確認 | 基本的な設置作業(室内機・室外機の設置、配管接続など)が含まれているか | 標準範囲を超える作業には追加料金が発生する場合がある |
追加料金の可能性 | 配管延長や電圧変更など、追加費用が発生する条件を確認 | 事前に詳細を確認し、想定外の出費を防ぐ |
当日の追加請求の有無 | 工事当日に「追加作業が必要」と言われる可能性があるか | 事前に合意した範囲以外での追加費用の有無を業者に確認 |
キャンセル・日程変更ルール | 工事日程の変更やキャンセル時の対応を確認 | 直前の変更に手数料がかかる場合があるため、ルールを把握しておく |
「思っていたより請求額が高かった…」と後悔しないためにも、これらのポイントを押さえて事前に確認することが大切です。
エアコンの設置費用は決して安いものではありませんが、しっかり準備すれば無駄なコストを抑えつつ、スムーズに工事を進めることができます。
追加料金が発生する主なケース
エアコンの設置工事には「標準取付工事」の範囲が決められていますが、建物の構造や設置環境によっては、追加料金が発生することがあります。
「思っていたより工事費用が高い!」と後悔しないために、どのようなケースで追加費用がかかるのかを事前に確認しておきましょう。
追加費用の発生要因 | 内容 | 追加費用の目安 |
---|---|---|
配管の延長 | 室外機の設置場所が遠い場合、標準の4mを超える配管が必要 | 1mごとに+2,000~5,000円 |
室外機の特殊設置 | 壁掛け・屋根置き・二段置きなど特別な設置が必要 | 5,000~20,000円 |
電圧変更・専用コンセント工事 | 100V→200V変更やブレーカーの増設が必要 | 10,000~20,000円 |
既存エアコンの取り外し・廃棄 | 古いエアコンの取り外し・リサイクル処分 | 6,000~13,000円 |
穴開け工事 | 鉄筋やコンクリートの壁に配管穴を開ける作業 | 5,000~15,000円 |
高所作業 | 2階以上の外壁設置など、特殊な作業が必要 | 10,000円~ |
隠ぺい配管工事 | 壁の中を配管が通る場合の追加作業 | 15,000~30,000円 |
エアコンの取り付けはシンプルに見えても、設置環境によって工事内容が大きく変わります。追加料金を避けるためにも、工事前に業者としっかり確認し、費用を把握しておくことが大切です。
特に、配管の長さや電圧、室外機の設置場所などは、事前にチェックしておきましょう。
引っ越し時のエアコン移設工事のポイント

引っ越しの際、現在使用しているエアコンを新居へ移設するかどうかを悩む方は多いのではないでしょうか。「新しく買い替えたほうがいいの?」「移設費用はどれくらい?」といった疑問を持つのは当然です。
実は、移設工事には思わぬ費用がかかることがあるため、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
ここでは、エアコン移設にかかる費用の目安や、移設時に注意すべきポイントについて詳しく解説します。引っ越し後も快適にエアコンを使えるよう、しっかり準備を進めましょう。
エアコン移設工事にかかる費用の目安
エアコンの移設工事には、現在設置しているエアコンを取り外す作業と、新居で再設置する作業の両方が必要です。そのため、新規設置よりも手間がかかることがあり、費用も高めになりやすいのが特徴です。
項目 | 費用目安 |
---|---|
エアコンの取り外し費用 | 約5,000~10,000円 |
エアコンの取り付け費用 | 約10,000~20,000円 |
移設先での配管交換費用 | 約5,000~15,000円 |
旧エアコンの処分費用(不要な場合) | 約3,000~5,000円 |
合計すると、移設にかかる費用は最低でも20,000円前後、高い場合は30,000円以上になることもあります。
さらに、建物や設置状況によっては追加料金が発生する可能性もあるため、事前にしっかり見積もりを取って確認することが大切です。
移設時にかかる追加料金の可能性
エアコンの移設費用は、新居の環境によって変動します。特に、以下のようなケースでは追加料金が発生する可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
追加工事の内容 | 詳細 | 追加費用の目安 |
---|---|---|
配管の交換 | 劣化した配管を再利用すると冷媒ガス漏れの原因になるため、新品に交換するのが一般的 | 5,000~15,000円 |
電圧の変更 | 100V→200Vなど、新居の電源仕様に合わせるための電気工事が必要 | 10,000~20,000円 |
コンセントの増設・変更 | 形状が合わない場合、コンセント交換や専用回路の増設が必要 | 5,000~15,000円 |
壁穴の追加加工 | 配管用の穴がない場合、新たに穴を開ける工事が必要 | 5,000~15,000円 |
古いエアコンの故障リスク | 長年使用したエアコンは移設時の負担で不具合が起こる可能性あり | 状況により修理費用が発生 |
エアコンの移設は単なる取り外し・取り付け作業ではなく、新居の環境に適応させるための工事が必要になることもあります。追加費用が発生しないよう、移設前に業者としっかり相談し、必要な作業内容を確認しておきましょう。
引っ越し業者に依頼する場合の注意点

引っ越しの際、エアコンの移設工事を引っ越し業者に依頼することもできます。ただし、多くの場合、引っ越し業者は外部の専門業者に依頼するため、中間マージンが発生し、直接専門業者に依頼するより工事費用が高くなることがあります。
そのため、以下の点を確認したうえで依頼することをおすすめします。
確認項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
工事担当者の確認 | 引っ越し業者が直接施工するのか、提携業者が行うのか確認 | 提携業者の場合、中間マージンが発生し費用が高くなることも |
費用の内訳を明確に | 取り外し・取り付け工事の基本料金と追加費用を確認 | 標準工事の範囲を超える作業があるか事前に確認 |
保証の有無 | 工事ミスがあった場合の対応や補償があるかを確認 | 万が一のトラブル時に追加費用が発生しないようにする |
繁忙期の影響 | 3月~4月、9月~10月の引っ越しシーズンは費用が高騰しやすい | 繁忙期を避けるか、早めに予約してコストを抑える |
引っ越しの際は、業者の選択肢を比較し、費用とサービス内容をしっかり確認することが大切です。繁忙期は工事費用が通常より高くなるため、余裕をもって準備を進めることでスムーズな移設が可能になります。
エアコン設置の工事費用を理解し、無駄な出費を防ごう
エアコンを購入する際、本体価格だけでなく工事費用にも注意が必要です。特に、初めて設置する場合や買い替え時には、標準工事費用の相場や追加費用の発生条件を理解しておくことが大切です。
また、見積もりを取る際には、標準工事に含まれる作業や追加料金の可能性を確認し、思わぬ出費を防ぐことが重要です。さらに、エアコンの移設を検討する場合、取り外し・取り付け費用に加え、新居の設置環境に応じた追加費用がかかることもあります。
エアコンの設置や移設をスムーズに進めるためには、事前に工事内容をしっかり確認し、適切な業者を選ぶことがポイントとなります。