省エネ性能が気になるエアコン選びでは、「インバーター」という言葉をよく目にします。しかし、実際にインバーターの仕組みやメリットについて詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
そもそもインバーターとは、エアコンのコンプレッサー(圧縮機)の回転速度を自由に調整できる技術のことです。特に、インバーター搭載のエアコンは、温度に応じてコンプレッサーの回転数を細かく制御しながら運転するため、エネルギーを無駄なく使えます。その結果、電気代を抑えながら快適な室温を維持できるのです。
そこで、本記事ではインバーターの仕組みやメリットに加え、エアコン選びのポイントについても詳しく解説します。電気代を節約しながら快適な室内環境を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください!
省エネに欠かせないインバーターって何?

エアコンのカタログや仕様書を見ていると、「インバーター」という言葉をよく見かけますよね。でも、実際にどういう仕組みで動作しているのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか?
簡単に言うと、インバーターは「コンプレッサーの回転速度を自由に調整できる技術」です。通常のエアコンは室温を設定温度にするためにコンプレッサーがONとOFFを繰り返しますが、インバーター搭載エアコンは細かくパワーを調節しながら動作します。
インバーターの仕組み
エアコンが室内の温度を調整する際、重要なのは「コンプレッサー(圧縮機)」の動きです。
インバーター搭載のエアコンは、このコンプレッサーの回転数を変動させることで、必要な冷暖房能力をきめ細かくコントロールできるのが特徴です。

通常、エアコンは設定温度に達するとコンプレッサーが停止し、温度が変化すると再びフルパワーで起動します。しかし、インバーター方式では、設定温度に近づくと少しずつ回転数を下げ、一定の温度になるように制御。これにより、エアコンの運転がよりスムーズになり、無駄なエネルギー消費を抑えることができます。
インバーター搭載エアコンのメリット

- 無駄な電力消費をカット: 必要な分だけエネルギーを使うので、電気代の節約に。
- 温度の変動が少なく快適: 室温を安定させることで不快な温度差をなくす。
- 静音運転が可能: 回転数を制御できるので運転音が小さくなりやすい。
インバーター技術のおかげで、エアコンはより賢く、効率的に動作するようになりました。
エアコンを使うと電気代が気になる…。そう思う方は多いですよね。でも、インバーター搭載エアコンなら、無駄な電力を抑えて効率よく運転できるため、大幅な電気代の節約が期待できます。
インバーターが省エネになる理由
インバーターエアコンが省エネと言われる最大の理由は、「必要な分だけ電力を使う」という賢い仕組みです。従来の非インバーター型エアコンは、設定温度に到達するまでフルパワーで稼働し、温度が下がると完全に停止する…これを繰り返します。つまり、動くたびに大量の電力を消費してしまうのです。
一方で、インバーターエアコンは、設定温度に達するとコンプレッサーの回転数を落とし、少ないエネルギーで温度をキープします。これにより、急激な電力消費を抑え、トータルの消費電力を大幅に削減できるのです。
インバーターにはどのくらいの省エネ効果があるの?
「本当にそんなに違うの?」と思うかもしれませんね。実際に、インバーター搭載と非搭載エアコンとで消費電力を比較したデータがあります。
インバーター搭載エアコン | 非インバーター型エアコン | |
---|---|---|
1時間あたりの消費電力 | 約500W(調節運転時) | 約1000W(ON/OFF運転時) |
年間電気代(目安) | 約15,000円 | 約25,000円 |
もちろん、お部屋の広さや使用環境によって異なりますが、一般的にインバーターエアコンを使うと30〜50%の節電が期待できると言われています。年間の電気代を考えると、これは大きな差ですよね。
環境にもやさしい
インバーターエアコンは、エネルギーを無駄にしないだけでなく、CO2排出量の削減にも貢献します。特に最近は、環境問題に配慮したエコ家電が注目されていますが、エアコン選びにおいても「消費電力の少なさ」は大切なポイントです。
省エネだけでなく、地球にも優しいエアコンを選ぶことが、よりサステナブルな暮らしにつながります。
エアコンに搭載するインバーターを開発したダイキンの公式サイトにも、インバーター技術に関する詳しい解説があります。日本では2009年時点で、100%のエアコンにインバーターが搭載されているそうです。
運転の工夫でさらに省エネに!

インバーターエアコンの省エネ性をより高めるために、運転の仕方にも工夫を取り入れると効果的です。
- 設定温度を適切にする:夏は28℃、冬は20℃を目安に設定すると無駄な電力消費を防げます。
- つけっぱなしの方が省エネな場合も:こまめにオンオフするよりも、弱運転で維持した方が電気代が抑えられることが多いです。
- フィルターを定期的に掃除:フィルターの汚れが溜まると空気の流れが悪くなり、余計な電力を使ってしまいます。
このように、インバーターエアコンはただ導入するだけではなく、使い方次第でさらに省エネの効果を高めることができるのです。
インバーターエアコンと非インバーター型の違い

それぞれの特徴を見ていきましょう。
インバーターエアコン | 非インバーター型エアコン | |
---|---|---|
運転方式 | 回転数を調整しながら運転 | ONとOFFを繰り返す |
消費電力 | 省エネ運転が可能 | 電力消費が多くなりがち |
室温の安定性 | なめらかで快適 | 温度変化が大きい |
運転音 | 静か(低速運転が可能) | オンオフ時に大きな音が出る |
電気代 | 長期的にみると安価 | 比較的高くなる傾向 |
運転方式の違い
インバーターエアコンと非インバーター型エアコンの最大の違いは、「運転方式」にあります。簡単に言うと、インバーター型はコンプレッサーの回転数を自由に調整できるのに対して、非インバーター型はONとOFFの切り替えのみで温度を調整します。
非インバーター型エアコンは、室温が設定温度に達するとコンプレッサーを停止し、温度が変動すると再びフルパワーで動作します。そのため、室温の変化が大きくなり、快適さが損なわれることがあります。
消費電力の違い
非インバーター型エアコンは、コンプレッサーを最大出力でON・OFFするため、電力消費が多くなりがちです。特に、頻繁にスイッチを入れたり切ったりすると、そのたびにフルパワーで立ち上げるため、結果的に電気代が高くなることがあります。
一方、インバーターエアコンは細かくパワーを調節できるため、必要最小限のエネルギーで運転できます。無駄な電力消費を抑えられるため、長期間の使用で電気代の節約につながるのです。
快適性の違い
「エアコンの風が強すぎて寒い」「温度が安定しなくて不快」と感じたことはありませんか? これは、非インバーター型エアコンの特徴でもあります。コンプレッサーが止まったり動いたりを繰り返すため、部屋の温度を一定に保つのが難しく、どうしても温度のムラができてしまいます。
一方、インバーター型エアコンは、室温の変化に応じてパワーを調節しながら運転するため、急激な温度変化が少なくなります。その結果、快適な室温を保ちやすくなるのです。
運転音の違い
夜間や静かな環境でエアコンを使うと、運転音が気になることがあります。非インバーター型エアコンは、コンプレッサーがONとOFFを繰り返すため、特に起動時に大きな音が発生しやすいです。
それに対して、インバーターエアコンは回転数を制御できるため、低速運転時は非常に静かになります。特に、小さなお子様がいる家庭や、夜間も静かに過ごしたい方には、インバーターエアコンの方がストレスなく使用できるでしょう。
価格の違い
インバーターエアコンは、高性能なコンプレッサーや制御装置を搭載しているため、初期費用がやや高めに設定されていることが多いです。しかし、長期的に見ると、電気代が抑えられるため、トータルコストで考えると経済的な選択となる場合がほとんどです。
一方、非インバーター型エアコンは、比較的安価で購入できる点がメリットです。ただし、消費電力が多いため、長年使い続けると電気代の負担が大きくなる点には注意が必要です。
インバーターエアコンを選ぶべき?

「結局、どちらを選ぶべきなの?」と迷う方も多いでしょう。それぞれのメリット・デメリットを考慮した上で、ご自身のライフスタイルに合った選択をすることが大切です。
重視するポイント | インバーターエアコン | 非インバーター型エアコン |
---|---|---|
長時間使用する | 〇 | |
初期費用を抑えたい | 〇 | |
静穏性を重視する | 〇 | |
短時間しか使わない | 〇 |
もし、毎日のように長時間エアコンを使うなら、電気代の節約効果を考えると、最終的にインバーター型の方がコストパフォーマンスが良いと言えます。電気代を抑えながら快適に過ごしたい方には、インバーターエアコンの導入をおすすめします。
自分に合ったインバーターエアコンを選ぶポイント
インバーターエアコンの良さは分かったけれど、「どの機種を選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。エアコンは決して安い買い物ではないので、後悔しないためにも、選び方のポイントをしっかり押さえておきましょう。ここでは、あなたにぴったりのエアコンを選ぶためのポイントを解説します。
部屋の広さに合ったモデルを選ぶ
エアコンの能力は「○畳用」と表示されていますが、実は建物の種類によって適したモデルが異なります。例えば、同じ6畳でも木造の部屋と鉄筋コンクリートの部屋では、必要な冷暖房能力が違ってくるのです。
部屋の広さ | 木造住宅(和室) | 鉄筋コンクリート(洋室) |
---|---|---|
6畳 | 2.2kW以上 | 2.2kW未満でも可 |
8畳 | 2.5kW以上 | 2.2~2.5kW |
10畳 | 2.8kW以上 | 2.5kW以上 |
基本的に、エアコンの出力(kW)が大きいほどパワーが強くなります。適した容量よりも小さいものを選ぶと、フルパワー運転が増えて消費電力が上がってしまうため、適切なサイズを選ぶことが大切です。
省エネ性能をチェックする
インバーターエアコンの中でも、どの機種が一番省エネなのかを判断するには、「APF(通年エネルギー消費効率)」という指標を参考にしましょう。APFの数値が高いほど、省エネ性能が優れています。
- APF 5.0以上 … 省エネ性能が高く、電気代の節約に最適
- APF 4.0~5.0 … 平均的な省エネ性能
- APF 4.0未満 … 電気代が比較的高くなる可能性あり
また、エアコンのカタログには「省エネ基準達成率」も表示されているので、こちらも参考にしながら選ぶと、より電気代を抑えられる機種を選ぶことができます。
快適性を高める便利機能を確認
エアコンにはさまざまな便利機能がついています。せっかく購入するなら、生活スタイルに合った機能がついているかもチェックしてみましょう。
自動運転・センサー機能
最近のエアコンには、人の動きを感知するセンサーが搭載されているものが増えています。部屋に誰もいなくなると自動で省エネ運転に切り替えたり、風向きを調整したりしてくれるため、余計な電力消費を防げます。
空気清浄・除湿機能
花粉やホコリが気になる方は、空気清浄機能付きのエアコンがおすすめ。また、梅雨の時期や湿気の多い地域では、優秀な除湿機能があるものを選ぶと、年中快適に過ごせます。
スマート家電対応
Wi-Fi対応のエアコンなら、スマホアプリで外出先から操作できる便利な機能が備わっています。例えば、帰宅前にエアコンをONにしておけば、家に戻ったときにはすでに快適な温度になっています。忙しい方には特におすすめです。
予算とコストパフォーマンスを考える

エアコンを選ぶ際、「安いからこれにしよう」と決めてしまうのはちょっと危険です。インバーターエアコンは初期費用が高めですが、長い目で見ると電気代が安く済むため、トータルコストで考えることが重要です。
例えば、次のように比較すると、長期間使用したときのランニングコストの差が見えてきます。
機種 | 初期費用 | 年間電気代 | 5年間のトータルコスト |
---|---|---|---|
非インバーター型 | 50,000円 | 25,000円 | 175,000円 |
インバーター型 | 80,000円 | 15,000円 | 155,000円 |
長期的にみると、高性能なインバーターエアコンの方がトータルコストを抑えられることが分かります。導入費用と電気代のバランスを考えて、コスパの良いエアコンを選びましょう。
まとめ:自分の生活スタイルに合った一台を
いかがでしたか? インバーターエアコンの選び方には、いくつかのポイントがありますが、最も大切なのは、「自分のライフスタイルに合っているか」という視点です。
もし、以下のような条件に当てはまるなら、インバーターエアコンを選ぶのがベスト!
- 毎日長時間エアコンを使う
- 電気代をできるだけ安く抑えたい
- 室温を快適に保ちたい
- 静かに運転してほしい
- スマート機能や空気清浄機能を活用したい
逆に、「短時間しかつけない」「とにかく初期費用を抑えたい」といった場合は、非インバーター型を検討するのも一つの手です。
選び方をしっかりチェックして、自分にぴったりのエアコンを手に入れましょう!