エアコンを快適に使うためには、シーズン前の試運転が欠かせません。というのも、「いざ使おうと思ったら動かない!」といったトラブルは意外と多く、早めの点検が重要だからです。
試運転を行うことで、不具合を事前に発見し、修理が必要な場合でも余裕をもって対応できます。
さらに、夏や冬の繁忙期には修理業者の予約が取りにくくなるため、適切な時期に試運転を行い、快適なシーズンを迎えましょう。
エアコンをシーズン前に試運転する大切な理由

「いざエアコンを使おうと思ったら冷たい風(または暖かい風)が出てこない!」という経験はありませんか?
夏や冬のピーク時にエアコンが動かないと、修理業者も混み合っていて、すぐに対応してもらえないことがよくあります。そんな事態を避けるために、シーズン前の試運転がとても重要なのです。
シーズンピーク時の突然の故障を防ぐ
本格的な夏の暑さや冬の寒さが到来する前に、一度エアコンを試運転することで、不具合の有無を確認できます。シーズン開始直後にエアコンが使えないと、修理に時間がかかり、快適に過ごせなくなる可能性があります。
特に、以下のようなトラブルが発生することがあるため、早めにチェックしておきましょう。
発生しやすいトラブル | 原因の可能性 | 対処法 |
---|---|---|
冷たい(または温かい)風が出ない | 冷媒ガス不足・フィルターの詰まり | フィルターを掃除し、改善しない場合は業者に相談 |
異音がする | 内部の部品の緩み・ファンの異常 | 異音の種類を確認し、必要に応じて点検依頼 |
本体や室外機から水漏れ | ドレンホースの詰まり・内部結露の排出不良 | ドレンホースの掃除を行い、改善しなければ業者に相談 |
エアコンがすぐに止まる | センサーの異常・電力供給の問題 | ブレーカーやリモコンの設定を確認し、異常なら修理依頼 |
これらのトラブルがシーズンのピーク時に発生すると、修理業者の予約が取りづらく、対応に時間がかかることもあります。
試運転を行い、事前に不具合を発見しておくことで、余裕を持って修理・対策ができます。
試運転の手順
エアコンをシーズン前に試運転することで、不具合がないか事前に確認できます。特に夏場の冷房運転を試して、正常に動作するかチェックしましょう。
以下の手順に従って、安全に試運転を行ってください。
試運転の手順 | 詳細 |
---|---|
① フィルターを掃除する | ホコリが溜まっていると冷房効果が低下するため、掃除機や水洗いで清掃する |
② 電源を入れる | リモコンで「冷房」モードに設定し、最低温度(16~18℃)にする |
③ 風量を「強」に設定 | 風量を最大にして、10~15分間運転し様子を見る |
チェックすべきポイント
確認項目 | チェックポイント | 対処法 |
---|---|---|
① 冷風が出ているか | 設定温度を最低にしてもぬるい風しか出ない | 冷媒ガス不足の可能性。改善しなければ業者に相談 |
② 風量が弱くないか | 風の勢いが弱く、冷房効率が悪い | フィルターやファンを清掃する |
③ 異音がしないか | 「ガタガタ」「ブーン」といった異音がする | 部品の劣化の可能性。特に室外機の音を確認 |
④ 水漏れしていないか | 室内機から水滴が落ちている | ドレンホースの詰まりをチェックし、清掃する |
⑤ 室外機の周りは問題ないか | 吹き出し口がふさがれていると効率が低下 | 植木や物を移動させ、十分なスペースを確保する |
試運転を行う際の注意点
試運転を実施する際は、エアコンの性能をしっかり確認するためにいくつかのポイントに注意が必要です。特に、室外機の環境や電力負荷、異常が発生した場合の対処法を把握しておくことで、スムーズに点検が行えます。
以下のポイントを意識し、試運転を効果的に実施しましょう。
注意点 | 詳細 | 対処法 |
---|---|---|
室外機の直射日光対策 | 直射日光が当たると熱交換の効率が低下し、冷房効果が落ちる | 日よけやシェードを設置し、温度上昇を防ぐ |
ブレーカーの確認 | 試運転中にブレーカーが落ちることがある | 他の家電の使用状況をチェックし、負荷を軽減する |
プロへの相談 | 自分で対応できるメンテナンスと業者に依頼すべきケースを見極める | 冷媒ガス不足や機器の異常は専門業者に相談 |
試運転を習慣にすることで、エアコンの不具合を早期発見し、トラブルを未然に防ぐことができます。快適なシーズンを迎えるためにも、定期的なチェックを行いましょう。
エアコンの不調を発見したら?適切な対処法

試運転をしたときに、「あれ、なんだかおかしい…?」と異常を感じたら、すぐに対処することが大切です。放置すると、シーズン中にエアコンが使えなくなるリスクが高まります。
ここでは、試運転中に見つかったエアコンの不調の原因と、その対処法について詳しく解説していきます。
冷風・温風が出ない場合の対処法
エアコンの試運転をしたのに、冷たい風や暖かい風がうまく出ない場合、さまざまな原因が考えられます。
まずは基本的なポイントをチェックし、適切な対処を行いましょう。
確認項目 | チェックポイント | 対処法 |
---|---|---|
リモコンの設定 | 冷房・暖房の切り替えが正しく行われているか | モード設定を確認し、適切に調整する |
設定温度 | 設定温度が極端に高すぎたり低すぎたりしないか | 適切な温度(冷房なら16〜28℃、暖房なら20〜24℃)に変更 |
フィルターの汚れ | フィルターにホコリが溜まっていないか | 掃除機でホコリを吸い取り、水洗い後に完全に乾燥させる |
室外機の状態 | 室外機の周囲に障害物がないか | 障害物を取り除き、風通しを確保する |
特にフィルターが汚れていると、空気の吸い込みが妨げられ、冷暖房の効率が大幅に低下します。定期的な清掃を行い、エアコンが正常に動作するように維持しましょう。
それでも改善しない場合は、冷媒ガスの不足や内部の故障が疑われるため、業者に相談するのがベストです。
試運転中に異音がする場合の対処法
エアコン本体や室外機から「カラカラ」「ガタガタ」「ブーン」などの異音がする場合、内部の部品が緩んでいたり、異物が入り込んでいる可能性があります。
放置すると故障につながるため、試運転の段階で原因を特定し、適切な対処を行いましょう。
異音の種類 | 考えられる原因 | 対処法 |
---|---|---|
カラカラ | ホコリや小さなゴミがファンに当たっている | フィルターや内部を掃除する |
ガタガタ | 部品の緩み・破損 | 業者に点検を依頼する |
ブーン | 室外機の振動による共鳴 | 室外機の設置場所を確認し、ぐらつきを調整 |
特に「ガタガタ」という音がする場合は、部品の破損の可能性が高いため、できるだけ早めに点検を依頼しましょう。
試運転中に水漏れが発生した場合の対処法
試運転中に、エアコンの吹き出し口や本体から水がポタポタ落ちてくることがあります。その多くはドレンホースの詰まりが原因です。
以下の手順で対処しましょう。
対処手順 | 詳細 |
---|---|
① エアコンを停止し、電源を切る | 安全のため、必ず運転を停止する |
② ドレンホースを確認 | エアコンの外に繋がっている細いホースをチェック |
③ ホース内の詰まりを除去 | 掃除機で吸い取る、またはワイヤーを差し込んで詰まりを取り除く |
④ 改善しない場合は業者に相談 | 内部配管の問題の可能性があるため、点検を依頼 |
試運転で冷暖房の効きが悪い場合の対処法
エアコンは動作しているのに、部屋がなかなか冷えない・暖まらない場合、以下の原因が考えられます。
チェックポイント | 対処法 |
---|---|
フィルターの汚れ | 掃除を行い、目詰まりを解消する |
室外機の周囲に障害物がある | 風通しを確保し、障害物を取り除く |
冷媒ガスの不足 | 自己判断せず、専門業者に点検依頼する |
試運転で霜取り運転が長すぎる場合の対処法
暖房運転時にエアコンが「霜取り運転」を行い、一時的に温風が出なくなることがあります。これは正常な動作ですが、長時間続く場合は以下を確認しましょう。
確認項目 | 対処法 |
---|---|
室外機に雪や霜がついていないか | 吹き飛ばして除去する |
寒冷地で床に直接設置されていないか | 架台を使用して高さを確保する |
長時間続く場合 | エアコン内部の故障の可能性があるため、業者に相談 |
試運転で異常を発見したら修理業者に依頼を
以下の症状が出た場合は、自分での対応が難しいため、早めに修理業者に連絡しましょう。
修理が必要な症状 | 対応策 |
---|---|
電源が入らない | 配線やリモコンの電池を確認し、改善しなければ業者に依頼 |
冷暖房がまったく効かない | 冷媒ガス不足やコンプレッサーの故障の可能性あり |
異音が続く | 部品の破損が疑われるため、専門業者に点検依頼 |
水漏れが止まらない | 配管の問題が考えられるため、業者に相談 |
ブレーカーが頻繁に落ちる | 電気系統の異常の可能性があるため、業者に確認 |
エアコンの修理は、夏・冬のシーズン前になると依頼が殺到し、予約が取りづらくなります。
試運転を行い、早めに不具合を発見して修理を手配することで、快適なシーズンを迎えましょう。
試運転はいつやるべき?おすすめの時期

「試運転の重要性はわかったけど、いつやればいいの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。エアコンの試運転は、適切な時期に行うことでより効果を発揮します。
余裕をもって準備し、快適なシーズンを迎えるために、試運転のおすすめ時期について詳しく解説します。
冷房の試運転は5月頃がベスト!
夏の暑さが本格化する前に、冷房の試運転を行うのに最適なのは5月頃です。
以下の理由から、早めのチェックをおすすめします。
ポイント | 理由 |
---|---|
気温が上がり始める時期 | 冷房の動作確認がしやすい |
修理の予約が取りやすい | 万が一異常があっても、業者の繁忙期前なので対応しやすい |
内部の点検と清掃ができる | 久しぶりに動かして汚れを確認できる |
夏のピークである7月や8月に試運転をすると、すでに故障していた場合の対応が遅れ、修理業者の予約も取りづらくなります。そのため、5月の比較的涼しい時期にチェックしておくのが理想的です。
暖房の試運転は10月頃が理想!
冬の到来前に暖房の試運転を行うなら、10月頃がちょうど良いタイミングです。
以下の理由から、事前の確認をおすすめします。
ポイント | 理由 |
---|---|
気温が下がり始める時期 | 暖房の動作確認がしやすい |
修理の余裕がある | 異常を見つけても本格的な寒さが来る前に対応できる |
点検と清掃がしやすい | フィルターや室外機のチェックを行う時間的余裕がある |
寒さが本格化する11月~12月になると、「暖房が使えない!」と困ってもすぐに修理してもらえないことがあります。そうなる前に、早めの試運転で正常に動作するか確認しましょう。
天候や気温も考慮しよう
試運転を行う際は、気温や天候もチェックするとより効果的です。
試運転の種類 | 適した気温 | 注意点 |
---|---|---|
冷房の試運転 | 気温25℃前後の日 | 気温が低すぎると冷房運転が正常に作動しない場合がある |
暖房の試運転 | 気温15℃以下の日 | 気温が高すぎると霜取り運転の確認ができないことがある |
また、試運転は1回だけでなく、数日後にもう一度動作を確認すると、より安心です。
経済産業省のウェブサイトでは、特に夏前の試運転の重要性について説明しています。
試運転を習慣にして快適なシーズンを迎えよう

エアコンの試運転は、毎年決まった時期に行うのが理想的です。
「5月と10月は試運転の日!」とカレンダーにメモしておくのもよいでしょう。短時間で済む作業ですが、これを行うだけでエアコンのトラブルを未然に防げます。
暑い夏や寒い冬を快適に過ごすために、試運転を習慣化し、万全の状態でシーズンを迎えましょう!