35坪の住宅に無機塗料で外壁塗装を検討する際、「耐久性の高い塗料を選びたい」「できるだけメンテナンスの手間を減らしたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが無機塗料です。無機塗料は、他の塗料と比べて耐久性が非常に高く、汚れにも強いため、住宅を長期間美しく保つことができます。
本記事では、35坪の住宅における無機塗料の施工費用や特性、他の塗料との違いを詳しく解説します。外壁塗装を長持ちさせ、コストパフォーマンスを最大化するためのポイントを押さえましょう!
無機塗料が持つ優れた特徴と最先端技術

外壁塗装を考えたとき、「とにかく長持ちする塗料がいい」「汚れにくい塗料を選びたい」と思う方は多いでしょう。
そんな方に注目していただきたいのが無機塗料です。
従来の塗料とは違い、無機塗料は耐久性も美しさも格段に優れています。従来の塗料では難しかった長持ちする美観を実現できるのが、この無機塗料の大きな魅力です。
無機塗料とは?
無機塗料は、ガラスや鉱石などの「無機物」を主成分にした塗料です。
一般的なシリコン塗料やフッ素塗料が有機成分を多く含むのに対し、無機塗料は化学的に分解されにくく、劣化しにくいのが特徴です。
外壁に塗ることで、長期間にわたって住まいの美観と耐久性を守ることができます。
最新技術が生み出すさらなる進化
近年、無機塗料はますます進化しています。メーカーによっては、超低汚染機能や遮熱効果が付加された製品も販売されており、より高性能な外壁塗装が可能になっています。
特に、真夏の暑さが厳しい地域では「遮熱無機塗料」を選ぶことで室内温度の上昇を抑え、エアコンの使用量を減らすことにもつながります。
性能 | 特徴 |
---|---|
耐久性 | 約20~25年と長持ち |
汚れにくさ | 親水性が高く、雨が汚れを洗い流す |
安全性 | 燃えにくく、防火性が高い |
防カビ・防藻 | カビやコケが生えにくい |
最新技術 | 遮熱機能などが追加された高性能塗料が登場 |
「せっかく外壁を塗装するなら、長持ちして美観を保つ塗料を選びたい!」そんな方には、最新の技術が詰まった無機塗料がぴったりです。
コストパフォーマンスの視点で考える

「無機塗料は高価」と感じるかもしれませんが、耐久年数を考慮すると、実はコストパフォーマンスが高い塗料です。
例えば、アクリル塗料やシリコン塗料は10~15年のサイクルで塗り替える必要がありますが、無機塗料なら一度施工すれば20年以上持つため、塗り替えの回数を減らせます。
また、メンテナンスの面でも優れています。無機塗料はセルフクリーニング機能があり、汚れがつきにくいため、定期的な洗浄や追加の補修が少なくて済みます。そのため、長期的な視点で見れば、無機塗料は結果的に経済的だといえます。
無機塗料の施工費用の相場
無機塗料を使った外壁塗装の一般的な費用相場は、1㎡あたり約4,000円~6,000円とされています。
これを35坪(約115㎡)の住宅に適用すると、おおよその施工費用は以下のようになります。
施工内容 | 概算費用 |
---|---|
無機塗料本体(115㎡ × 4,000~6,000円) | 約46万円~69万円 |
足場設置費用 | 約15万円~20万円 |
下地処理・洗浄・養生 | 約10万円~15万円 |
総額 | 約71万円~104万円 |
もちろん、これは一般的な目安であり、住宅の状態や地域、使用する無機塗料の種類によって費用は変動します。また、ベランダや付帯部(雨樋や軒天など)の塗装を含める場合には、追加費用が発生することもあります。
他の塗料との施工費用比較
無機塗料だけでなく、その他の塗料と比較した場合の施工費用を見てみましょう。
塗料の種類 | 1㎡あたりの費用 | 35坪住宅の施工費用(目安) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 1,000~1,500円 | 約30万円~45万円 |
シリコン塗料 | 2,500~3,500円 | 約55万円~75万円 |
フッ素塗料 | 3,500~5,000円 | 約75万円~100万円 |
無機塗料 | 4,000~6,000円 | 約71万円~104万円 |
無機塗料は確かに初期費用が高めですが、20年以上の耐久性が期待できます。
例えば、アクリル塗料は耐用年数が5~8年ほどしかなく、約30万円~45万円の費用でも頻繁に塗り直す必要があります。一方、無機塗料は初期コストが多少かかるものの、長期的にみるとメンテナンスの回数を減らせるため、結果的にはコストを抑えることができるでしょう。
施工時に注意すべきポイントと適切なメンテナンス方法

無機塗料はその高い耐久性や防汚性能により、長期間美しさを保つことができる塗料ですが、施工時にいくつかの注意点があります。
適切な施工を行わなければ、本来の性能を十分に発揮できない可能性があるため、事前に押さえておくべきポイントを確認しておきましょう。また、長持ちさせるためのメンテナンスのコツについても紹介します。
施工時の注意点
① 適切な下地処理を行う
無機塗料は高い密着性を誇りますが、施工前の下地処理が不十分だと、塗膜の剥がれやひび割れの原因になります。特に、以下のチェックポイントを確認しましょう。
チェック項目 | 説明 |
---|---|
古い塗膜の劣化確認 | 剥がれがある場合は、ケレン処理でしっかりと除去し、下地を整える必要があります。 |
外壁のクラック(ひび割れ)確認 | ひび割れを見つけた場合は、補修材を使って丁寧に処理し、塗装が密着しやすい状態にします。 |
カビやコケの発生確認 | 高圧洗浄や薬剤処理を行い、外壁表面をきれいにしてから塗装作業に入ることが重要です。 |
適切な下地処理を行うことで、無機塗料の効果を最大限に引き出し、長期間塗膜を維持できます。
② 施工業者の技術力をしっかり確認する
無機塗料は施工に高度な技術が求められるため、信頼できる業者に依頼することが重要です。技術力の低い業者が施工すると、塗膜が均一にならなかったり、早期の劣化が発生する可能性があります。
施工業者を選ぶ際のチェックポイントとして、以下の点を確認しましょう。
- 無機塗料の施工実績が豊富か
- 口コミや評判をチェック(Googleレビューや施工事例)
- 施工後の保証がしっかりしているか
安さだけで業者を選ぶのではなく、長く安心して住める施工品質を提供してくれるかを基準に判断しましょう。
③ 気候条件を考慮した施工を行う
無機塗料の施工は、天候の影響を受けやすいため、以下の気象条件を事前に確認することが大切です。
環境条件 | 説明 |
---|---|
気温が5℃以上であること | 低温すぎると塗料がしっかり乾燥せず、塗膜の強度や耐久性に影響を及ぼす可能性があります。 |
湿度が85%以下であること | 湿度が高いと塗料の乾燥が遅くなり、塗膜の仕上がりや密着性に悪影響を与えることがあります。 |
雨の日は施工を避ける | 雨天時の施工は塗料が流れてしまう可能性があるため、品質を保つためにも晴天時に行うことが望ましいです。 |
ベストな時期としては、春(3〜5月)や秋(9〜11月)が推奨されます。気候が安定しているため、塗膜がしっかり定着しやすく、仕上がりが良くなります。
無機塗料を長持ちさせるメンテナンス方法

無機塗料は長期間の耐久性を誇りますが、適切なメンテナンスを行うことでさらに長持ちさせることができます。以下のポイントを意識して、外壁の美観と機能を維持しましょう。
① 定期的な点検を行う
無機塗料は一般的な塗料に比べて耐用年数が長いですが、それでも10年ごとに専門業者の点検を受けるのが理想です。特に、以下の症状がないかを確認しましょう。
- ひび割れや剥がれがないか
- 汚れやカビが付着していないか
- 雨漏りの兆候がないか(シーリング部分の劣化)
早めに問題を発見し対処することで、補修費用を抑えられます。
② 軽い汚れは水洗いで落とす
無機塗料は汚れが付きにくいですが、長年の雨風によって汚れが蓄積することがあります。基本的には雨水で自然に洗い流されるため問題ありませんが、もし気になる汚れがあれば以下の方法で簡単に清掃しましょう。
- 水を含ませたスポンジや雑巾で軽く拭く
- ホースで水を優しく流す(高圧洗浄機は使用を控える)
強くこすりすぎると塗膜を傷める可能性があるため、やさしく掃除するのがポイントです。
③ シーリング部分の補修を忘れずに
無機塗料の塗膜自体は耐久性がありますが、シーリング(コーキング)部分は塗料の耐久年数よりも短く、10年ほどで劣化することが一般的です。シーリングが劣化すると、そこから雨水が侵入し、外壁自体のダメージにつながる可能性があります。
そのため、無機塗料を施工した際は、10年前後を目安にシーリングの補修を行うことをおすすめします。
無機塗料はこんな人におすすめ!
ここまでのメリット・デメリットを踏まえ、無機塗料を選ぶのに向いている方をまとめました。
おすすめの人 | 説明 |
---|---|
長期間のメンテナンスを減らしたい | 20年以上の耐久性が期待できる無機塗料なら、頻繁な塗り替えをせずに済み、手間や費用を大幅に減らせます。 |
汚れに強く、美しさを長く保ちたい | セルフクリーニング機能によって、雨で汚れが自然に流れ落ちるため、外壁の美観を長期間維持できます。 |
カビやコケの発生を防ぎたい | 抗菌・防藻性が高いため、湿気の多い環境でもカビやコケが発生しにくく、清潔な状態を保てます。 |
防火性を重視する | 燃えにくい素材を使用しているため、火災時にも延焼しにくく、安全性を高めたい方に適しています。 |
多少の初期費用をかけても長期的にコストを抑えたい | 高い耐久性により、長期的に見ればメンテナンスコストを抑えることができ、結果的に費用対効果が高くなります。 |
一方で、「初期コストを安く抑えたい」「デザインやカラーバリエーションを重視したい」「施工業者の選択肢を広げたい」という方には、シリコン塗料やフッ素塗料が合っている場合もあります。
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無機塗料を賢く選ぶために

無機塗料は高性能な塗料ですが、すべての住宅に最適とは限りません。
コストや施工技術に関するデメリットをしっかり理解したうえで、自分のライフスタイルや住宅の条件に合った塗料を選ぶことが重要です。
施工業者を選ぶ際には、必ず無機塗料の施工実績が豊富な業者を選び、適正な施工を行ってもらうようにしましょう。塗装は一度施工すると長期間影響を及ぼすため、慎重に選択することが大切です。